国防部が軍隊の雰囲気を明るくする目的で、話し言葉の「タナカ体」を使用しない方針を発表しました。
韓国語の敬語の語尾には、「~ㅂ니다(ムニダ)」「~ㅂ니까? (ムニッカ)」などの硬い雰囲気と、「~해요(ヘヨ)」といったやわらかい雰囲気のものがあります。前者に、上の者が下の者に対して質問する時の「~나(ナ)」を加えた硬い雰囲気の敬語を、軍隊ではこれらの末尾の文字をとって「タナカ体」と呼んでいます。タナカ体は単に丁寧な言葉遣いというよりは、主に軍隊やそれに準じた上下関係の厳しい環境で使われていて(「~であります」のような感じ)、丁寧な言葉だからといってむやみに使うと、相手に違和感を与えてしまいます。国防部は、この日常生活では違和感があるほどの硬い言葉遣いが支障となって軍隊の雰囲気を暗くしているとともに、風通しの悪い空気を作る原因となっていると考えて、今月からヘヨ体の使用を進めることを明らかにしました。また、これまでは、第三者の話題を出す時に、対象者が自分より上官に当たるものの話し相手よりは位が低い場合は、話し相手を尊重して話題の対象者には敬語を使わないのが通例でしたが(相対的用法。日本の社会と同様)、今後は、話し相手が誰であろうと、自分より上の者の話題を出す時は敬語を使う(絶対的用法。韓国社会の通例と同様)とする方針を打ち出しました。つまり、軍隊のみで通用している話し方はやめて、韓国の一般社会に合わせようということです。
ところが、先月下旬からKBS2ではじまったドラマ「太陽の末裔」では軍隊が舞台となっており、ドラマ全般にわたってタナカ体が多く使われています。しかも、ドラマの人気も急上昇中で、先週木曜日(10日)の視聴率は28.5%を記録しました。また、それにしたがい、若者たちの間でむやみにタナカ体を使うのが流行っているということです。国防部が使用の廃止を進めている違和感のある言葉が同じタイミングで流行り出したとの皮肉な出来事により、タナカ体にますます注目が集まっています。