韓国競泳代表のパク・テファン選手がドーピング検査で陽性反応を見せ、波紋が広がっています。
大韓水泳連盟が先月27日に明らかにしたところによりますと、パク・テファン選手は去年9月に実施された国際水泳連盟によるドーピング検査で、世界反ドーピング機構の禁止薬物である「テストステロン」が検出され、国際水泳連盟が大韓水泳連盟とパク・テファン選手にその旨を伝えてきたということです。
パク・テファン選手は、仁川アジア大会を控えた去年9月に国際水泳連盟によるドーピング検査を受けました。
世界的な選手は国際水泳連盟による常時ドーピング検査の対象となっていて、予告なしでドーピング検査が実施されます。
検査では筋肉強化剤の一つであるテストステロンの成分が検出されました。
テストステロンは世界反ドーピング機構が定める禁止薬物です。
国際水泳連盟は今月27日にスイスのローザンヌでこの問題に関する聴聞会を開く予定です。
パク・テファン選手側は、健康管理の一環として病院で打った注射剤に禁止薬物の成分が含まれていることを認知していなかったという立場です。
パク・テファン選手側は、アジア大会を控えて2ヶ月余り病院で脊椎矯正治療と健康管理などを受け、その過程で注射を打ってもらったが、注射剤の成分については病院に確認を求め、病院は問題がないことを確認したとしています。
また、注射を打った病院は、注射剤に含まれている成分は把握していたものの、その成分がドーピング検査で問題になるということは知らなかったという立場です。
病院の関係者は、検察の調べでも、注射剤の成分がドーピング検査で問題になるということを知らなかったと説明したということです。
パク・テファン選手側の主張どおり、故意ではなかったにしても、ドーピング検査で禁止薬物の成分が検出されたのは否めない事実です。
パク・テファン選手は2008年の北京オリンピックで自由型400メートルで金メダル、200メートルで銀メダルを獲得しました。
韓国がオリンピックの競泳でメダルを獲得したのはこれが初めてです。
多くの人たちに愛された選手だっただけに、今回のドーピング検査の結果は大きな波紋を呼んでいます。
パク・テファン選手側は故意性がなかったことを強調していますが、聴聞会で故意性がなかったことが認められるにしても、懲戒を免れることはできないでしょう。
これまでの例を見ますと、禁止薬物については故意性があったかどうかにかかわらず、選手に厳しく責任を問う懲戒処分が決まっています。
一方、大韓水泳連盟については、選手の管理を疎かにしたとの批判も出ています。