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最高裁の判決、韓日両国に重い外交課題

2018-11-04

ニュース

ⓒYONHAP News

最高裁判所に当たる韓国の大法院は、このほど、日本企業に対して植民地時代の強制徴用被害者に賠償を命じる判決を下しました。

この判決は、韓日両国が1965年の韓日基本条約を締結する際に歴史問題など多くの 対立点について玉虫色の妥協を行ったことが、背景にあります。

日本政府は日中戦争などで労働力不足が深刻化したことを受けて、植民地だった韓半島に国民徴用令などを適用し、工場や鉱山などの労働に駆り出しました。

大法院が強制徴用被害者の個人請求権を認め、日本企業に対して損害賠償を命じた今回の判決は、「日本の植民地支配は違法」という根拠に基づいています。

日本政府は請求権協定で賠償などの問題はすべて解決したとの立場ですが、判決は、「日本政府の違法な植民地支配と日本企業の非人道的な不法行為を前提とした強制徴用による被害者の慰謝料請求権は、請求権協定の適用対象に含まれない」と指摘しています。

日本の植民地支配は違法であり、違法な植民地支配下で行われた強制徴用も違法に当たるので、被害者に賠償しなければならないというのが判決の基本的な趣旨です。

ただ、日本は植民地支配を違法とはみていません。

1965年の韓日基本条約は、1910年の強制併合条約などについて、「もはや無効であることを確認する」として、恣意的な解釈の余地を残しました。

そのため、韓国はこの条項を根拠に植民地支配自体が無効であり、違法であるとしていますが、日本は「もはや」を「韓国が独立し、サンフランシスコ条約が成立した時点で無効になった」と解釈し、合法的な条約によって朝鮮が併合された状態で戦時国民徴用令などに基づいて徴用したので違法ではないと主張しています。

国交正常化当時、植民地支配の違法性の問題があいまいになったのは、第二次世界大戦後の1951年9月に連合国各国と日本の間で調印されたサンフランシスコ平和条約に起因する部分もあるとされています。

韓国は連合国としての地位が認められず、条約の当事国ではありませんでした。

そのため日本の植民地支配や侵略戦争の賠償を請求する道も閉ざされ、結局、1965年の韓日請求権協定でこの問題を扱うことになりました。

当時、アメリカは冷戦体制に備えるために日本の復興を促進するとの目的で、日本に対して寛大な政策を進めました。

その過程で日本の植民地支配の違法性などの問題は棚上げされました。

今回の判決は、韓国と日本双方に対して、植民地支配が違法だったかどうかのはっきりとした判断を促しています。

アメリカのアジア政策に引きずられ、安全保障や経済面の必要性に迫られた状態で韓国は日本との国交正常化に踏み切りましたが、国交正常化後も歴史認識のずれは残っています。

今回の判決は、歴史問題について双方の認識のずれが継続している現状がもはや限界に直面していることを克明に示しています。

韓国政府の消息筋は今回の判決について、韓国と日本双方に重い外交課題を投げかけたとしたうえで、「1965年の韓日基本条約に基づいた現在の状況を克服できる新たな協力関係を模索することが重要だ」としました。

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