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第506話 韓国で「教育とは」、「大学とは」を問う事件

#アジュンマの井戸端会議 l 2019-05-30

玄海灘に立つ虹

© YONHAP News

ソウル市内にある女子高で、双子の娘に試験の問題と解答を流出していたとして、娘たちが通う高校で教務部長を務めていた父親に対し、このほど懲役3年6ヶ月の実刑判決が言い渡されました。


この事件は、双子の娘が、高校2年生だった去年の1学期の期末試験で、文系、理系でそれぞれ全校で首席を占めたことから始まりました。1年生の1学期にはそれぞれ文系で121位、理系で59位だった双子の成績が2学期に急上昇したことで、他の保護者たちから疑問の声が上がり、それが検察の捜査につながったのです。検察は、この高校の教務部長だった父親が2017年から2018年にかけて、双子の娘に5回にわたり定期試験の試験の解答を教えていたとして、去年11月に父親を起訴しました。検察の求刑は懲役7年でした。


この事件では、実刑が言い渡されたこともさることながら、裁判長が「相避制度」について言及しており、その点も注目されます。相避制度とは、もともと高麗・朝鮮王朝時代に、一定の範囲内の親族同士は同じ官庁や関係の深い官庁で勤務できないようにした制度です。教育部は去年8月、高校の教員とその子どもを同じ学校に配置しない制度、つまり相避制度を取り入れ、今年3月から適用するとしていました。教育部がその方針を明らかにした当時、全国の高校2360校のうち560校(23.7%)で、親と子が教員と生徒として同じ学校に在籍していることがわかっています。親は1005人、子どもは1050人でした。


今年5月現在、子どもと同じ学校に在職している教員は489人と、当時より半数以上減っているものの、相避制度が定着したとはみなせないということで、裁判長がその点を指摘したものと思われます。「各高校での定期試験の成績が大学入試に占める割合がかなり高くなっているにもかかわらず、定期試験を行う過程や成績の処理を公正に管理するための教員と生徒の相避制度のようなシステムがきちんと整備されていないことも、この事件が起きた一因とみられる」と裁判長は指摘しています。


韓国の大学入試は大きく随時募集と定時募集に分かれていて、随時募集では日本での内申書と似た「内申成績」が大きな部分を占めています。そして随時募集で新入生を選抜する選考のほうが定時募集より多いのが現状です。そのため、この事件の判決を受け、公正な入試制度を確立すべきだとして、随時募集をなくすよう求める声明を出した市民団体もあります。

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