セウォル号惨事から10年、記憶と記録
2024-04-19
韓国政府は、日本政府の輸出管理強化措置について、原状復帰を要求し、5月末までに日本の立場を示すよう求めました。
日本は去年7月、半導体やディスプレイの製造に使われる主要素材3品目について、韓国へ輸出する際に個別に許可を取得するよう管理を強化し、8月には輸出手続き優遇対象のホワイト国のリストから韓国を除外するなど、厳格な輸出管理を現在も維持しています。
日本政府による輸出管理強化は、日本企業に元徴用工への賠償を命じた韓国大法院の判決に対する事実上の報復措置と受け止められています。
産業通商資源部の李浩鉉(イ・ホヒョン)貿易政策官は12日の記者会見で、懸案の解決をこれ以上遅らせることはできないとして、「5月末までに3品目とホワイト国リストに関する問題を解決する方法について、日本政府の立場を明らかにするよう促した」と述べました。
また、輸出管理を強化する理由として日本側が挙げた問題点については、すべて解消されたと指摘し、韓国は日本側が懸案の解決に動き出すための必要かつ十分な条件をすべて示したとして、日本側は輸出管理措置の原状復帰を速やかに図るべきだと強調しました。
そのうえで、輸出管理をめぐる懸案を速やかに解決することで、より発展的な方向へ両国が進むことを希望すると述べました。
韓国政府が5月末までに立場を表明するよう日本側に求めたのは、2019年11月に延長した軍事情報包括保護協定GSOMIAの終了を再検討する時期に来たと判断したためだとする見方もあります。
日本側が5月末までにこの問題について回答しなければ、韓国政府は暫定的に留保している軍事情報包括保護協定終了を再び検討したり、世界貿易機関の紛争解決手続きを再開する可能性もあるとみられます。
ただ、李浩鉉貿易政策官は軍事情報包括保護協定終了や世界貿易機関の紛争解決手続き再開については直接言及せず、「予断を許さない状況だ。日本側の前向きな回答を期待している」とだけ述べました。
ただし、日本側の輸出管理強化で韓国企業の生産に大きな支障が出ているわけではありません。
日本側の輸出管理強化で、韓国政府は日本への依存度を減らすために素材産業の競争力強化に向けて動き出し、一方で輸入先を多角化するなどの措置を取り、今のところ韓国企業の生産に支障は出ていません。
ただ、日本側が求めた条件をすべて充足した状況で、いつまでも不確実な状況が続くのは問題があります。
韓国と日本は昨年12月にこの問題をめぐる局長級の政策対話を3年半ぶりに再開し、ことし3月にはテレビ会議形式で2回目の協議を行いましたが、問題解決には至らず、緊密な協議を継続することで合意するにとどまりました。
そもそも、この問題は元徴用工への賠償問題が発端となっただけに、賠償問題が明確に解決しなければ、日本側が原状復帰に応じるのは難しいのではないかとする指摘もあります。
洪楠基(ホン・ナムギ)・副総理兼企画財政相は13日、この問題に関連して、今後とも素材産業の競争力強化に努め、輸入先多角化などを通じて主要部品や素材の安定的な確保に力を入れていくと述べました。
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