セウォル号惨事から10年、記憶と記録
2024-04-19
最低賃金を審議する最低賃金委員会は14日に開かれた9回目の全体会議で、2021年度の最低賃金を時給8720ウォンとすることを議決しました。
今年度より1.5%、1時間あたり130ウォンの引き上げにとどまり、大幅な引き上げを求めていた労働者側の不満が高まっています。
1.5%引き上げ案は政府が推薦した専門家による公益委員が提出したもので、賛成9、反対7で議決されました。
票決には公益委員9人と使用者側委員7人だけが加わり、韓国労総が推薦した勤労者側委員5人と自営業連合会所属の使用者側委員2人は反発して会議場を出たため棄権しました。
最低賃金委員会は、勤労者側委員、使用者側委員、公益委員、それぞれ9人で構成されています。
勤労者側委員は韓国労総推薦の5人と民主労総推薦の4人で構成されていますが、民主労総推薦の委員4人はこの日の会議に最初から出席しませんでした。
1.5%の引き上げ率は、最低賃金制度が導入された1988年以来、32年間で最も低い水準で、通貨危機に見舞われた1998年の2.7%よりも低くなりました。
引き上げ率が低く抑えられたのは、新型コロナウイルスの影響で経済が打撃を受けている中、中小企業や自営業者の人件費負担を軽減することが優先されたためです。
労働者側は当初、新型コロナウイルスの影響で低賃金労働者の生活が脅かされているとして、今年度より16.4%引き上げた時給1万ウォンを提示していました。
使用者側はこれに対して、経済を立て直すためにも企業の人件費負担を軽減させる必要があるとして、今年度より2.1%引き下げた時給8410ウォンを提示しました。
双方の案には大きな差があり、交渉は最初から難航しました。
公益委員は、引き上げ率0.3~6.1%、時給8620~9110ウォンの妥協案を示し、双方に修正案の提出を求めましたが、双方の隔たりは埋まらず、結局、公益委員による引き上げ率1.5%、時給8720ウォンの案が議決されました。
最低賃金委員会で議決された来年度最低賃金は雇用労働部の長官に提出され、雇用労働部長官は来月5日までにこれを告示することになります。
告示を前に労使双方は異議を提起することができ、異議に理由があると認められれば、雇用労働部長官は最低賃金委員会に再審議を求めることができます。
ただ、これまで再審議が行われた例はありません。
来年度最低賃金案は労使双方がともに強く反発するなどして、最低賃金委員会の限界を露呈したとも指摘されています。
民主労総推薦の勤労者側委員は公益委員の案に強く反発して会議に出席すらせず、韓国労総推薦の勤労者委員は会議場から退場して票決には加わりませんでした。
そのため最低賃金委員会の審議や議決のシステムを見直し、改革を模索すべきだとの声が高まっています。
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