セウォル号惨事から10年、記憶と記録
2024-04-19
コンピューター・グラフィックス用半導体製造で最大手のアメリカの「エヌビディア」が、イギリスの半導体設計会社「アーム」をソフトバンクグループから買収するというニュースが先週13日、半導体業界を駆けめぐりました。
「アーム」は1990年に設立されたイギリスの会社で、ほぼすべてのスマートフォンに組み込まれているチップを設計していて、「サムスン電子」や「アップル」、「クアルコム」など数百の企業にライセンスを供与しています。「アーム」買収が実現した場合、「エヌビディア」は半導体業界の主役に躍り出ることになります。「アーム」は、全世界に対する中立性を保ちながら、自社の技術を数百の企業にライセンス供与してきましたが、こうした状況が、エヌビディアの買収で脅かされる可能性があるとみられています。
「サムスン電子」や「SKハイニックス」など韓国の半導体メーカーも「エヌビディア」のアーム買収の行方を注視しています。「サムスン電子」としては、例えば「アップル」など、直接の競合関係にある会社が「アーム」を買収するよりは、リスクは低いという見方もあります。しかし、「エヌビディア」は近い将来、韓国企業にとって強力なライバルになる可能性が大きいとみられています。
一方、アメリカのトランプ政権は、中国通信機器最大手「ファーウェイ」に対する新たな輸出禁止措置を15日に本格導入しました。アメリカの技術を使って生産した外国製半導体をファーウェイに供給することが事実上禁じられ、取引のある韓国企業に大きな影響が及びそうです。
大きく揺れ動く半導体産業。韓国の輸出も打撃を受けるのは必至の情勢で、対応策が急がれます。まず求められる対応は、半導体製造に必要な材料や製造装置の自立化を進めることです。また、韓国の半導体産業はメモリ半導体に集中していますが、これからは非メモリ半導体、特にシステム半導体にまでビジネスの領域を広げ、半導体市場でのシェアを拡大しなければなりません。
半導体市場に吹き荒れる嵐を乗り越え、危機をチャンスに変えるための知恵を絞ることが課題となっています。
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