セウォル号惨事から10年、記憶と記録
2024-04-19
ふと、彼女はウプサン料金所を通過する気分はどんなものか知りたかった。
6年前に閉鎖された料金所を通って入ってきてから、
一度も街を出たことがなかった。
彼女にとっては、プラスチックの箱の中に花札のように積まれた「高速道路通行券」は
まだ支払っていない請求書のようだ。
生きている間に請求され、必ず払わなければならない料金が書かれた告知書が、
なす術もなく彼女の前に積まれているようだった。
引っ越しの荷物を載せたトラックがETC区間を通過し、街を抜けていく。
1.5トンのトラックの荷台に積み込まれた荷物が、
彼女の目には自分のもののように見えた。
彼女がウプサン料金所のブースを守っている間、
彼女のワンルームマンションの荷物がまとめられ、
他の街に送られていくような気分だった。
ウプサン料金所の前に延びた道路は700メートルほど行ったところで、
高速道路の上り線と下り線、2つに分かれる。
通過するたびに通行料金を支払わなければならない。
細長い帯を1回ねじって両端をはり合わせたメビウスの帯とでも言おうか。
車がブーメランのように戻ってきてブースの下に止まるたびに、
彼女は、自分が座っているブースが
メビウスの帯の始発点であり、終着点にあるような気がした。
읍산요금소 앞으로 뻗은 도로는 칠백 미터 지점 쯤 에서
고속도로 상행선과 하행선 두 갈래 길로 갈라진다.
통행료는 통과할 때마다 지불해야 한다.
통과하는 횟수는 백 번일 경우 백 번 다.
뫼비우스 띠라고 했던가.
차들이 부메랑처럼 되돌아와 부스 밑에 설 때마다 그녀는
자신이 들어앉아 있는 부스가
뫼비우스의 띠의 시작이자 끝인 지점에 자리하고 있는 것 같다.
#インタビュー:パン・ミノさん
この小説は全体的に重く、荒涼とした雰囲気をかもし出しています。主人公は離婚し、息子とも別れ、契約社員として働いています。彼女は料金所で通行料金を受け取り、料金を払った車を送り出します。彼女はそんな仕事がまるで自分の人生のようだと感じています。
彼女は椅子に置いたカバンから銀色のポーチを取り出した。
ジッパーを開けて口紅を取り出す。
口紅を塗ると、口が顔から独立し、赤く浮かび上がる。
彼女は口紅を重ね塗りした後、両目を道路に固定した。
夕焼けに染まり、魚の浮袋のように膨れて見える道路の上に一台の車が現われた。
車はウプサン料金所に向かって、遅くも早くもない、
中途半端な速度で走ってくる。
車種や色は区別がつかない。
彼女は口紅を塗ったばかりだということを忘れ、
もう一度口紅を塗りながら、例の黒い乗用車でないことを願った。
그녀는 의자 밑에 놓아둔 가방에서 은색 파우치를 꺼냈다.
파우치 지퍼를 열고 립스틱을 꺼내든다.
립스틱을 바르자 입이 얼굴과 겉돌면서 붉게 떠오른다.
그녀는 립스틱을 덧바른 뒤 도로에 두 눈을 고정시킨다.
석양이 깔려와 부레처럼 부풀어 보이는 도로 위로 차가 한 대 나타난다.
차는 읍산요금소를 향해 느리지도, 빠르지도 않은 어중간한 속도로 달려온다.
차 종류와 색깔이 잘 분별이 안 된다.
그녀는 방금 립스틱을 발랐다는 것을 망각하고는 립스틱을 덧바르며,
검은색 그랜저가 아니기를 속으로 간절히 바란다.
作家:キム・スム(1974~、蔚山広域市生まれ)
デビュー:1997年 小説「遅さについて」
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