セウォル号惨事から10年、記憶と記録
2024-04-19
韓国南部、釜山で25、26の2日間、韓国・ ASEAN 東南アジア諸国連合特別首脳会議が開かれました。
特別会議は、韓国とASEANの対話関係樹立30年を記念して開かれ、文在寅政権発足後、韓国で開かれる最大規模の国際会議となりました。
会議を終えたあと発表した共同報道文には、△人が中心となる共同体、△ともに繁栄する革新共同体、△平和な東アジア共同体、を目指すとする「3つの未来の青写真」に合意したとの内容が盛り込まれました。
会議では、分野別の具体的な協力を明記した「平和とパートナー関係増進に向けた共同ビジョン声明」や「韓国・ASEAN特別首脳会議共同議長声明」も採択されました。
各国首脳らは、人が中心となる共同体を目指すために人的・文化的交流を拡大することにし、ともに繁栄する革新共同体については、保護主義に反対する立場を改めて確認するとともに、韓国・ASEAN自由貿易協定を土台に自由貿易を拡大していく考えを表明しました。
平和な東アジア共同体については、韓半島の完全な非核化と恒久的な平和構築に向けて、ASEAN地域フォーラムなどの協議体を活用し、対話や協力を促進していくことにしました。
文在寅大統領は23日にシンガポールのリー・シェンロン首相と、24日にはブルネイのボルキア国王と、25日にはインドネシアのジョコ大統領、フィリピンのドゥテルテ大統領と個別に首脳会談を行いました。
また、26日にはミャンマーのアウンサンスーチー国家顧問、ラオスのトーンルン首相と、27日にはベトナムのフック首相と、28日にはマレーシアのマハティール首相と個別に首脳会談を行いました。
期間中には各国企業間の交流も活発に行われ、中小ベンチャー企業部が主催した「スタートアップ・サミット」「スタートアップ・エキスポ」「革新成長コンファレンス」などの行事には各国の財界関係者が出席し、経済協力の拡大について話し合いました。
ASEAN東南アジア諸国連合は6億人を超える人口を抱える巨大な経済圏でもあり、韓国にとって中国に次ぐ2番目の貿易相手です。
韓国とASEANとの貿易額は2018年に前年比で7%増の1597億ドルで、韓国の貿易額全体の14%を占めています。
今回の会議では、両者の貿易額を2020年に2000億ドル、およそ22兆円に引き上げる目標も採択されました。
ASEANの国々は北韓とも外交関係があり、安全保障面でも協力が重視されています。
韓国はこれまで「4強」と位置づけるアメリカと日本、中国、ロシアを中心に外交を展開してきましたが、ASEAN との経済関係の重要さが増している中、 ASEAN との関係を「4強」と同じレベルに引き上げるための「新南方政策」を進めています。
今回の会議を契機に韓国と ASEANとの協力はさらに拡大していくものとみられます。
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