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論点

医学生増員計画に反対し、医師らがストライキ

2020-08-22

ニュース

ⓒYONHAP News

新型コロナウイルスの感染が再び増加に転じている中で、大韓医師協会は26日から三日間、2回目のストライキを決行するとの方針を明らかにしました。

医師らは14日にもストライキを実施していて、全国でおよそ25%の医療機関が休診となりました。

2回目のストライキにはさらに多くの医療機関が参加する可能性があります。

医師らのストライキは、今後10年間で医学部生を4000人増員するとした政府の計画に反対を表明するために実施されました。

政府と与党は先月、今後10年間で医学部生を4000人増員する方針を決めました。

増員して養成した医師4000人のうち3000人は医師が不足する地域に配置し、1000人は基礎医学などの研究に従事させることにしています。

また、医学部生の増員とは別途に、定員50人の公立の医科大学を医科大学がない地域に新たに設立することにしました。

政府は医学部生増員の理由として、医師数の不足を挙げています。

医学部の定員は2006年以降、3058人に抑えられていて、2018年の時点で人口1000人当たりの医師数は2.04人となっています。

これはOECD加盟国平均3.48人に大きく及ばない水準です。

医師数が不足しているうえに、多くの医師がソウルに集中していることから地方の医師不足はより深刻です。

政府は新型コロナウイルス感染拡大のような公衆衛生上の危機に備えるためにも医師の増員は必要だとしています。

一方、医師団体は政府のこうした方針に強く反発しています。

医師の労働組合「大韓医師協会」は、医師の数はすでに必要数を十分上回っているとして、医学部生の増員よりは優秀な医師を養成する対策がより重要だと主張しています。

また、医学部生を増員して、一定期間義務的に地方で勤務させるにしても、義務付けられた期間が終わればソウルなどの大都市に移っていくのは目に見えているとして、地方の医師不足解消にはつながらないとしています。

医師団体のこうした主張については、公益を無視して既得権を固守するための主張だとする批判も出ています。

保健福祉部の朴凌厚(パク・ヌンフ)長官と大韓医師協会の崔大集(チェ・デジプ)会長は19日に非公開の懇談会を開いて協議しましたが、隔たりを埋めることはできませんでした。

朴凌厚長官は会見で、大韓医師協会は政府の方針撤回を強く求めていて隔たりを埋めることはできなかったとしたうえで、政府は医学部生の増員より適切な方法があるのなら積極的に検討する用意があると述べました。

保健福祉部の関係者によると、大韓医師協会は、政府が医学部生の増員などの方針をすべて撤回しなければ対話に応じることはできないとの立場を固守したということです。

大韓医師協会は報道各社への声明文を通して、26日から2回目のストライキを予定通り決行するとの立場を明らかにしていて、今後の動きが注目されています。

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