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論点

サムスン電子副会長が仮釈放

2021-08-14

ニュース

ⓒYONHAP News

朴槿恵政権のときの国政不正介入事件に関連して、贈賄などの容疑で起訴され、有罪が確定し、ソウル拘置所に収監されていたサムスン電子の李在鎔副会長が13日に仮釈放されました。

李在鎔副会長は2021年1月18日に裁判所で懲役2年6カ月の判決が確定、ソウル拘置所に収監されました。

207日ぶりの社会復帰です。

法務部の仮釈放審査委員会は9日、李在鎔副会長の仮釈放を13日に実施することを決め、朴範界(パク・ポムゲ)法相がこの決定を承認しました。

朴範界法相は会見で、「コロナ禍の長期化による国の経済状況やグローバルな経済環境の変化などを考慮し、李在鎔副会長を仮釈放の対象に含めた」と述べました、

財界からは、今後の経営活動で制約を受けないよう、仮釈放ではなく、大統領権限による特別赦免を求める声が出ていましたが、文在寅大統領は選挙戦で特別赦免を制限することを公約に打ち出していたことから、政治的負担が少ない法相の権限による仮釈放にしたものとみられます。

李在鎔副会長は仮釈放されましたが、特別経済犯罪加重処罰法は、5億ウォン以上の横領・背任で懲役刑が言い渡された場合、刑の執行が終了した時点から5年間、就業を制限すると規定していて、李在鎔副会長もこの就業制限が適用されます。

ただ、仮釈放後に法務部に就業承認申請書を提出すれば、法務部がこれを承認する可能性が高いとされています。

財界からは李在鎔副会長の恩赦を求める声が続いていました。

韓国経営者総協会など経済5団体は4月に、李在鎔副会長の恩赦を求める提案書を大統領府に提出し、4大財閥グループの会長らは大統領府で行われた懇談会で、李在鎔副会長の恩赦を提案していました。

李在鎔副会長の仮釈放は、コロナ禍の長期化で経済環境が急変する中、トップの不在が韓国経済で大きな部分を占めるサムスン電子の競争力低下につながるのではないかとする判断があったとみられます。

サムスン電子は半導体ファウンドリービジネスで台湾のTSMCと競合しているほか、主力のメモリ半導体部門ではアメリカのマイクロン社の追い上げが激しくなっています。

こうした中、トップの不在は投資決定を遅らせ、競争力の低下を招き、場合によっては後戻りできない打撃を受ける恐れもあるとの指摘が出ていました。

経済状況を考慮したためか、世論も李在鎔副会長の仮釈放に好意的でした。

複数の世論調査で、70%以上が李在鎔副会長の仮釈放に賛成し、反対するとの意見は20%程度にとどまりました。

ただ、市民団体などからは、李在鎔副会長の仮釈放は「財閥に対する特別優遇措置」だとする批判も出ています。

米中対立が激しさを増し、世界の経済環境が不安定化する中で、李在鎔副会長がサムスン電子の舵取りをどう進めるのか注目されます。

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