セウォル号惨事から10年、記憶と記録
2024-04-19
行政安全部の中に警察局を新設する施行令改正案が26日に閣議決定され、8月2日から施行されます。
しかし、こうした尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の決定をめぐっては、現場の警察幹部らの反発が強まり、政府との対立が深まっています。
改正案によりますと、中央政府組織の行政安全部のもとに警察を統括するために新設される警察局は、△警察と関連した重要政策や法令の審議、△警察幹部の任用に関する要請、△自治体傘下の自治警察の支援、などの業務を担うことになります。
韓悳洙(ハン・ドクス)国務総理は改正案について、前政権では大統領府の民情首席秘書官室が管掌していた警察庁に対する実質的な統率を、行政安全部の長官がより民主的で透明に行うためのものだと説明しました。
しかし、警察内部では、政権が警察を掌握するための企てだとして反発が強まっていて、先週末には全国の警察署長らによる会議が開かれ、法令の改正手続きを見送るよう求めるなどしました。
尹錫悦大統領はこうした動きについて、警察幹部らの集団行動を深く憂慮しているとしたうえで、「政府が憲法と法律に基づいて進める政策と組織改編に警察が集団で反発することは、重大な綱紀の乱れになり得る」と批判しました。
事の発端は文在寅政権に遡ります。
文在寅政権では、検察の権限縮小に向けて検察の捜査権の多くを警察に移管し、その結果、警察の権限が大きくなるという結果をもたらしました。
尹錫悦政権は、検察からの捜査権移管で警察の権限が肥大化することをけん制するための組織として、警察局を設置することにしたものです。
警察は、1991年に内務部治安本部から警察庁に名称を改め、独立的で中立的な組織として生まれ変わりました。
警察内部からは、警察局の新設は警察を再び政権の統制下に置き、警察を恣意的に利用するための措置で、警察の独立性と中立性を損なうことにつながるとする声も出ています。
権限が大きくなる警察に対する民主的な統制は必要ですが、今回の警察局の新設は政府が短期間に一方的に強行したことで、警察と野党の不要な反発を呼び起こしたとする指摘もあります。
今回の事態については、緊密な意思疎通を通じて、警察を民主的に統制できるシステムを構築していく必要があるとの指摘が出ています。
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