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ライフスタイル

第179話 心の病、ファビョン(火病)について

2011-12-05

玄海灘に立つ虹

第179話 心の病、ファビョン(火病)について
ファビョンとは怒り、憤りに関する障害や、怒り、悔しさなどの感情などを長く胸にためていて病気になった状態のことをいいます。ファビョンは漢字では「火病」と書きます。またアメリカ精神医学会が出している精神疾患のマニュアルと診断の手引きに「Hwa-byung」という病名でのっている韓国固有の病で、英語では「憤怒症候群」と翻訳されているそうです。
患者の90%以上が中年女性だとされ、女性に圧倒的に多いです。「韓国の中年女性で、ファビョンでない人はいないだろう」などと言われるほど、中年のアジュンマによく見られる病気です。でも最近では職場でのストレスがたまっていたり、仕事が大変でも大変だといえないでがまんしている男性にも症状が現れています。
ファビョンの原因を詳しくみてみましょう。2008年から2010年まで大学病院や専門センターなどが調べたところによると、実は夫との確執が最多で48.4%でした。次いで経済的な問題(17.2%)、姑など夫の家族との確執(16.1%)、育児や子どものこと(7.5%)、自分の実家の問題(4.3%)、その他(6.5%)の順ですが、夫が原因である場合が圧倒的に多いことがわかります。
症状の特徴としては胸、心臓の周りが熱く、手足が冷たいことがまず挙げられますが、具体的な症状は、顔がほてる、唇が乾く、のどや胸のつかえ、動悸、頭痛、消化不良、めまい、手足のしびれなどです。ファビョンのこわいところは、他の病気、たとえば不眠症や高血圧、糖尿病などの成人病や、慢性胃炎や胃潰瘍、頭痛、耳鳴りなど神経性疾患とも密接に関わっていて、これらの病気を併発する場合が多いことです。
ファビョンは10年以上感情表現をできずに過ごしていているうちに、歳を重ね心身が弱くなり、感情のコントロールができなくなったときに一気に症状がひどくなるそうなので、前もって自己診断をしてみて、3つ以上該当する症状があったら、専門医と相談することが求められます。

- ファビョンの自己診断テスト-

1 熟睡できず夜中に何度も起きたり、起きた後すっきりせずぼうっとしている。
2 神経質でささいなことも気に障る
3 頭が痛い
4 消化がよくない
5 息切れがする
6 怒ると顔がほてったり体中が熱くなる。足の先まで熱くなることも。
7 動悸がはげしい。
8 何事にも意欲を感じず、無気力、おっくうだ。
9 みぞおちの下のところに石が詰まっているような感じがする。
10 舌に赤い発疹(ぶつぶつ)ができ、食べ物をうまく飲み込めない。
11 下腹が、唐辛子の粉がまかれたようにちくちくと痛い。
12 のどに何か詰まっているような感じがする。

10年以上も何も言えずに心のなかで大きくしていく病気、ファビョン。いまの若い人たちは自己主張の強い世代ですから、だんだんと少なくなっていくような気がしますが、ストレスは増えていく一方なので、どうでしょうか。ストレスをためないようにすることが大事ですね。

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