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ライフスタイル

第412話 イチゴは春それとも冬?

2017-01-19

玄海灘に立つ虹

第412話 イチゴは春それとも冬?
最近スーパーに行くと、イチゴをよく見かけます。でもイチゴは、春が旬の果物ではなかったでしょうか。
大手スーパーのEマートが、去年の冬(2015年12月~2016年2月)の果物の売り上げを調べたところ、イチゴが、みかんを抜いて僅差の1位だったということです。冬場にイチゴが売り上げ首位になったのは初めてだそうで、Eマートの関係者は、「今年はみかんも平年並みの甘さでイチゴの値段がそう高くないので、この冬もイチゴが1位になるのでは」と話しています。

イチゴは20世紀の初め、日本から入ってきた果物です。当時は、露地栽培されていて、5月に収穫されていました。それが、1980年代からビニールハウスの農家が増えたことで、イチゴもビニールハウスでの栽培が始まりました。もともとイチゴは暑さに弱く、寒さに強い作物ですが、温度や湿度、日照量が一定なビニールハウスで栽培されたイチゴは甘くておいしく、果肉も硬めで、流通にも有利です。こうして、冬にはビニールハウスのイチゴが、夏は高冷地で栽培されたイチゴが出荷されるようになり、イチゴがほぼ一年中食べられるようになりました。

韓国では、10年ぐらい前まで、章姫やレッドパールなど日本の品種を輸入して育てていました。そのためのロイヤリティーが年間30億ウォンにも達していたといいます。しかし、いまでは雪香(ソルヒャン)、毎香(メヒャン)、高夏(コハ)など韓国固有の品種が開発されています。なかでも雪香は韓国のイチゴ市場で75%を超えるシェアを占めており、現在は韓国のイチゴ農家の90%が、韓国の品種を栽培するようになっています。

ちなみに、冬のイチゴが初夏のイチゴより甘くておいしいことが、農村振興庁の分析で分かっています。甘さは温度に関係していて、イチゴは花が咲いてから収穫するまで、冬は60日から70日、春は30日から45日くらいかかるのだそうですが、冬のイチゴは低い温度でゆっくり生長するので、それだけ甘さが蓄積されるのだそうです。

韓国のホテルでは「イチゴフェスティバル」などと称して、イチゴのメニューを多く食べてもらうイベントを開催するところが多いのですが、イチゴの栽培が早くなっていることで、イベントが始まる時期がどんどん早くなり、この冬は去年の12月からイチゴのイベントを始めたホテルもあります。ホテル業界で、イチゴのイベントは、食べ物に関するイベントのなかでももっとも人気があるということです。

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