タラク(駝酪)とは、乾燥させた牛乳を意味する突厥(テュルク)語「タラグ」に由来したものかあるいは馬の乳という意味のモンゴル語にちなんだものとされ、「牛乳」という意味。韓国では4世紀から貴族社会を中心に牛乳が飲まれ始めた。なかなか手に入らない牛乳を使った粥のタラクジュッは、特に朝鮮時代には最高級のスタミナ食のひとつだった。朝鮮王朝で最も長生きした朝鮮第21代王の英祖(ヨンジョ)の長寿の秘訣は、タラクジュッを好んで食べていたからだという説もある。王の精気回復に必須だったタラクジュッは、特に初秋から冬の間、王宮でよく食べられていた。
主な材料 :
1人分
牛乳500ml, 米カップ1/2、水カップ1/2
ヤンニョム(味付け) :
細かく砕いた松の実大さじ1、塩またははちみつ少々
米を洗って水につけておき、水気を切る。 水につけておいた米と水をミキサーにかける。できるだけ細かくなめらかにする。 水とミキサーにかけた米を鍋に入れ、かきまぜながら中火で煮る。 煮立ってきたら牛乳を加えて再び煮立たせ、そのあと弱火にして2、3分かきまぜながらさらに煮詰める。 火を止め、細かくした松の実を加えてよく混ぜて器に盛る。好みで塩かはちみつを加えていただく。 ☑ 米を水につける時間は季節によって違う。夏場は1、2時間、冬場は2、3時間ぐらい、十分につけておく。
☑ 牛乳には脂肪分が含まれており、それが鍋底に沈んでたまり、こげつきやすい。そのためたえずかきまぜるようにする。
☑ 生の米の代りに冷やご飯でつくってもおいしくできる。
☑ 好みで水をもっと入れて、重湯のようにしていただいてもよい。
キム・スジン院長: 韓国料理研究家
現在、韓国の味研究会理事、フード・アンド・カルチャー・コリア・アカデミー院長
韓国で初めての「映画の飲食監督」として、料理の新分野を開拓
代表作 <霜花店(サンファジョム)−運命、その愛>、<美人図>、<王の男>、<食客>