スジョングァは、ジョングァ(果物や果実などをはちみつで煮詰めたもの)の一種で、水気を切ったものを「水」という漢字を書いてスジョングァ(水正果)という。韓国伝統の飲み物として知られるが、ジョングァなので飲み物というよりはお菓子の一種だといえる。生姜やシナモンなどを煮出した水に干し柿を入れたもの。スジョングァに入る柿は韓半島の南部でたくさんとれたため、祭祀に供えたり宴に出したりする代表的な果物だった。そこで柿を長く保存する方法として考案されたのが、皮をむいて乾かしたコッカ厶、つまり干し柿であり、コッカムの食べ方のひとつとしてスジョングァがつくられた。
主な材料 :
干し柿10個、生姜100g、シナモンスティック100g、水2リットル、胡桃10個、松の実大さじ1、三温糖カップ1と1/2
ヤンニョム(味付け) :
タシク(茶食、お茶といっしょにいただく伝統菓子)の材料 : 大豆の粉50g、はちみつ大さじ1 / 黒豆(グリーンピースでもよい)の粉50g、はちみつ大さじ1 / 黒ごまの粉50g、はちみつ大さじ1、ごま油大さじ3
生姜は皮をむいて洗い、薄くスライスする。 シナモンスティックは表面を洗い、5センチぐらいの長さに切る。 生姜とシナモンをそれぞれ1リットルの水で煮る。中火で40分ぐらい煮立たせ、綿布でこす。 こした水を合わせて三温糖を加え、中火でもう1度煮立たせて冷ます。 胡桃は半分に割り、熱湯につけて取り出し、楊枝などで渋皮をむく。 干し柿はペーパータオルで表面を拭いてへたを取り、切り込みを入れて広げる。
渋皮をむいた胡桃を2つに割り、広げておいた干し柿にその2つをのせ、のり巻きを巻くようにしっかりと巻く。 巻いたものを0.7cmから0.8cmの厚さに切る。 生姜とシナモンを煮出した水を器に注ぎ、干し柿で巻いたものを飾りとして入れ、松の実を浮かべる。 タシクのつくり方
① 大豆の粉、黒豆の粉、黒ごまの粉にそれぞれはちみつ大さじ1を加えてこねる。 タシクのつくり方
② タシク専用の型にごま油を塗り、こねたものを穴に詰めて抜く。 ☑ しょうがは大きいままで煮ると味や香りが出にくいので、薄くスライスする。
☑ シナモンとしょうがはいっしょに煮るとそれぞれの固有の味と香りが損なわれてしまうので、別々に煮立たせる。
☑ 胡桃を干し柿で巻いたものは1度にいくつかつくっておき、ラップで包んで冷凍庫に置いておけば、スジョングァを飲むたびに取り出して使えばいいので便利。
☑ 干し柿の代りにいちじくやプラムなどを乾かしたものを使ってもよい。
☑ タシクはいろいろな穀物を使えば、多様な色のものをつくることができる。
☑ タシクの粉は手でうまく握れるくらいの濃度にこねる。
キム・スジン院長: 韓国料理研究家
現在、韓国の味研究会理事、フード・アンド・カルチャー・コリア・アカデミー院長
韓国で初めての「映画の飲食監督」として、料理の新分野を開拓
代表作 <霜花店(サンファジョム)−運命、その愛>、<美人図>、<王の男>、<食客>