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ライフスタイル

第477話 進化するキムチ冷蔵庫

#アジュンマの井戸端会議 l 2018-10-11

玄海灘に立つ虹

ⓒ Getty Images Bank

もうすぐキムジャンの季節です。ソウルではだいたい11月中旬以降、寒くなる前に行うのが普通です。きょうはキムジャンにちなんでキムチ冷蔵庫のお話です。


キムチ冷蔵庫が初めて発売されたのは1984年。LG電子がゴールドスターだった頃、45リットルの製品が発売されたのが最初です。冷蔵庫の中にキムチが入っているとどうしてもにおいがするものですが、キムチ専用の冷蔵庫でそういうことをなくした、画期的なアイデア製品でした。しかし当時はキムチを瓶に入れて庭などに埋めて保存している家庭も多かったことから、そんなに普及しませんでした。


キムチ冷蔵庫が本格的に売れ始めたのは、1995年、ディムチェ(メーカー:テユウィニア)が発売されてからです。ちょうどこのころ、1990年代半ばから、アパートやマンション中心の住文化が広まったことも、キムチ冷蔵庫大衆化の要因となりました。その後1998年にはサムスン電子がキムチ冷蔵庫市場に参入、キムチ冷蔵庫メーカービッグ3が市場に出そろい、2002年にピークを迎えます。当時187万台が販売されたということです。


その後2016年からは、130万台くらいの年間の販売台数を維持、市場自体の成長の勢いは鈍っている状態です。それもそのはずで、いまキムチ冷蔵庫は90%近く普及していると推算されています。それだけに各メーカーでは新しい機能を追加することで、差別化を図っています。


まず形としては、以前は横長の箱型で、箱の上部に蓋が付いていて開け閉めするようになっている「蓋型製品」が主流だったのですが、いまはスタンド型が多いです。スタンド型は冷蔵庫のように細長い縦の形をしていて、開け閉めが蓋型より容易になっています。家電業界の関係者は、「3年前まで蓋型とスタンド型が半々くらいの売り上げだったが、今年はスタンド型の割合が70%を超えるだろう」と予測しています。


容量は蓋型が120リットル台から220リットル台、スタンド型は100リットル台のもの(一人暮らしをターゲットにしている)から320リットル台、580リットル台、もっと大きいものでは830リットル台のものもあります。普通の冷蔵庫のような形をしているだけに、キムチを保存するだけでなく、肉類やワイン、野菜などを保存できる「2台目の冷蔵庫」になっています。


どこのメーカーもキムチをよりおいしく保存するのは基本ですが、バナナ・じゃがいもモードを搭載している製品もあります。ジャガイモやバナナは冷蔵庫に保管してはいけない食材ですが、バナナ・じゃがいもモードは10度から15度を維持できるので、バナナ、ジャガイモのほかにもトマトやさつまいも、カボチャなどの野菜を保存することができます。また冷凍庫として使うことができる冷凍モードもあります。それに、キムチだけでなく、野菜、果物、お酒、ジャン(韓国味噌)類など18種を26のモードで保存できる製品もあります。あと、普通はキムチを新鮮においしく保存するためにキムチ冷蔵庫が使われるのですが、発酵機能が追加され、6週間くらいでおいしいムグンジ(漬けてから長いこと熟成させたすっぱくなったキムチ)が食べられる製品もあります。


2台目の冷蔵庫として多様に活用できるよう、キムチ冷蔵庫はどんどん進化しています。これから年末にかけてがキムチ冷蔵庫が最も売れる時期で、年間販売台数の半分がこの時期に集中するのだそうです。各メーカーのマーケティング合戦がますます激しくなりそうです。

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