セウォル号惨事から10年、記憶と記録
2024-04-19
2018年、韓国の大学に通う外国人留学生の数が初めて14万人を突破しました。いまやどこの大学でも外国人留学生に出会うことは珍しくありません。そして大学のキャンパス風景も大きく変わりつつあります。
教育統計サービスによりますと外国人留学生は2014年までは8万人台を維持し2015年から急速に増加、去年14万2205人を記録しました。語学研修、交換留学生を除いた学位課程にいる学生だけを見ると8万6000人になります。
国別には中国が6万8500人でダントツで一番多く、ベトナム2万7000人、モンゴル6700人、ウズベキスタン5500人、日本3900人と続きます。国別には全世界181カ国からきています。
大学別にはムン大統領の母校のキョンヒ大学が一番多く、以下、高麗大学、成均館大学、延世大学、漢陽大学と続きます。どれもソウルにある大学でソウルにだけ6万1千人の留学生がいることになります。
最近では大学院の総学生会長にはじめてインド人学生が選出され話題になったこともありました。では彼らはどんな動機で韓国の大学に留学したのでしょうか?
高麗大学に通う中国人学生は
「中国人学生が多いのはたぶん近いからというのが大きく、そのほか韓国経済や技術水準、韓流文化などに影響を受けているのだと思います」
カナダ人の学生は
「国際ビジネスに必要な韓国語を学ぼうとインターネットで検索してこの大学にきました」
アメリカ人の学生は
「韓国の経済と政治に関心があります。アメリカの大学とは違い韓国の大学には情があってよいのですが、就職のために競争する雰囲気は多少ついていけません」
成均館大学1年生の日本人ケンモチさんは、日本で通っていた大学を自主退学して韓国に来たと言います。
「韓国語を学んで、韓国と日本に関連した仕事につきたいので韓国の大学にきました。言葉の問題が一番大変ですが、韓国人学生と外国人学生が1対1で助けあう制度がとても役に立っています」
と言います。外国人留学生が増えたことで大学周辺の風景も変わってきました。外国料理を出すお店が増えました。イスラム教徒の学生のためのハラール料理のお店も出来ました。また中国人が直接運営する通信サービスのお店もでき、美容院にも「中国語できます」の張り紙がでています。通信サービス店を運営する中国人は
「韓国の通信サービスは長期契約が基本なので留学生は嫌がります。そこでうちでは留学生向けのサービスを提供しており、地方からもわざわざうちの店に来るほどです」
ソウル大学の学生食堂にはハラーム料理だけを扱うコーナーも登場しました。ここでは毎日80人分の食事を準備していますが、経営は赤字だといいます。このようなハラーム料理コーナーはソウル大学以外にも漢陽大学、世宗大学、キョンヒ大学などにも登場しています。
ちなみに日本の去年の外国人留学生数は29万8000人でした。留学生の増加と共に変わりつつあるキャンパス風景、 これは日本の大学もまったく同じかもしれません。
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