川瀬和広 在韓日本大使館 公報文化院長とのインタビュー
2023-12-01
© Getty Images Bank
最近秋になってよく「가을을 타다」という言葉を聞きます。直訳すると「秋に乗る」ということですが、そうではありませんよね。秋を感じるとか、センチメンタルになるという意味のようですが、どんな時に使うのでしょう。
この言葉、韓国らしい言葉なんですね。日本のインターネットで調べてみたら、韓国語関連のホームページにたくさん出ていました。そしてこんな説明が書かれていました。
秋になるとその雰囲気でセンチメンタルになる事を言う言葉です。
「物思いにふける秋」と言う事です。季節ごとに使えますが、表現としてよく使うのは春と秋です。春には、食欲がなくなり体がだるくなる時に使います。そして秋は男性、春は女性の季節だといわれます。
彩さんくらいの若い世代はわかりませんが、中年以上の世代のもつ秋に対するイメージは、こんな単語であらわされます。
バーバリーコート、落ち葉、脇が寂しい(カップルになって腕を組む相手がいないということ)、一人酒、たばこ
韓国人の好きな香港ノワール映画「男たちの挽歌」の世界です。まさに男性の世界ですよね。
韓国ギャラップが2014年に調査した韓国人の好きな季節の順位を見てみると、1位が秋、その後、春、夏、冬と続きます。男女ともに1位が秋です。ただ女性は年齢があがるほど春が好きな人が増えていきます。
この点についてホルモンに原因を求める意見があります。男性に比べて嗅覚が発達している女性は男性よりも季節の変化に敏感で、特に春になると暖かく、強い日差しにより幸福ホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌が促進されるので、春を好むだろうというのです。
では男性はなぜ秋が好きなのか? 가을을 탄다という言葉の意味は、秋が好きだということではありません。カンカンと照り付ける夏の日差しが過ぎ、日照量が減ると、セロトニンの分泌が減り、気分が鬱になります。でも男性は秋になると男性ホルモンがたくさん分泌され、成就志向的な心理的が働くというのです。
こんな説明がありました。秋になり北風が吹き始めると、なんだか知らないうちに心が落ち着かなくなってきます。どこかに旅立ちたくなり、したことのない何かをしてみたくなる。そんな気持ちになるというのです。
本当に面白いものです。秋になり憂鬱になり、孤独になるというのに、新たな冒険もしたくなるということです。こういうわけのわからない気持ちの変化、まさに男性らしい感じ方なのでしょうか。
ちなみに調べてみたら、日本人が一番好きな季節は一番が春で、秋は2位でした。3位と4位は夏と冬ということで、これは韓国と同じでした。同じように四季がある国なのに、春が一番好きな日本人と秋が一番好きな韓国人。国民性も現れているのでしょうか。
2023-12-01
2023-11-23
2023-11-17