セウォル号惨事から10年、記憶と記録
2024-04-19
世の中は日に日に進歩を続けています。2020年にもさらに世の中は便利になっていくでしょう。しかし一方で便利だと言われているものが、実は大きな不便を引き起こしてしまうこともあります。先週に引き続き今週もそんな不便さについての話です。
先日日本に行き、日本もだいぶキャッシュレスになってきたなと感じました。町のコンビニやスーパーでも現金ではなく、カード決済で済ますことのできる店舗が増えてきたからです。韓国は日本以上にキャッシュレスが進んでいる社会です。コンビニやスーパーだけでなくタクシーもカード決済ができます。
韓国はスウェーデンに続いて世界で2番目にキャッシュレス、つまり現金での決済の割合が少ない国です。韓国では家計支出に占める現金決済の割合は19.8%に過ぎません。ちなみに世界1位はスウェーデンで13%です。一方日本は48.2%とまだまだ現金決済が多いことが分かります。
韓国では今年もキャッシュレスを進めるために新たなサービスを始めます。
コンビニ、デパート、大型スーパーなどで現金や商品券などで計算をした後、おつりは現金ではなく顧客の口座に入金するというサービスです。消費者は関連アプリの設置されたスマートフォンを持っているだけで、このサービスを利用できます。お釣りを交通カードに入金するサービスはすでに去年からはじまっています。
このサービスにより、財布の中や机の引き出しに使わない小銭がたまることもなくなります。ではこのようなキャッシュレス社会、便利なだけで不便な点、問題はないのでしょうか。
まず韓国よりもキャッシュレスが進んでいるスウェーデンについてみてみると、韓国銀行関係者の話です。
「スウェーデン中央銀行はこれまではキャッシュレス社会に進もうとしていましたが、最近になり急激な進展は望ましくないという立場に変わりました。いかなる場合でも国民の現金使用は保証されなければならないという方向に旋回したのです。理由はキャッシュレス社会への急激な進展に伴い、街のATS(現金自動預け払い機)の数が激減、銀行の支店数も減ってしまい、特に現金利用の多い高齢者や障がい者に大きな負担を与えてしまったからです」
事情は韓国でも同じです。韓国の場合はお店の側、街の露天商や在来市場などではいまだに現金取引が多く、キャッシュレスを進めると、こういう少額取引中心の商人たちにも不便を与えてしまいます。そのため、キャッシュレス社会を目指すものの、速度は調整するというのが韓国銀行の立場です。結局 便利便利だけを追い求めると落ちこぼれてしまう人が登場するということなのでしょう。
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