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ライフスタイル

第552話 去年のソウルの地下鉄広告について

#アジュンマの井戸端会議 l 2020-04-21

玄海灘に立つ虹

ⓒ Big Hit Entertainment

ソウルの地下鉄では、駅の構内だけでなく、ホームドアや電車の中でも、アイドルが描かれた看板、広告を見ることができます。ファンが自主的に出しているものです。最初はKPOPアイドルや俳優などの広告が多かったのですが、最近では海外のアーティストやプロゲーマー、デビュー前の練習生、アニメや小説に登場するキャラクターなど多様な分野のスターが広告の主人公になっています。


ソウル交通公社(ソウル地下鉄1号線~8号線)が公表した去年の統計を見てみますと、ファンによる有名人の広告は合わせて2166件でした。2014年は76件だったのが、2018年には2000件を突破しました。ソウル市は、アイドルデビューをかけたオーディション番組の人気が、広告増加の一因になっていると分析しています。芸能プロダクションに所属する練習生を対象にしたサバイバル番組が増えており、特にPRODUCE 101(プロデュース ワンオーワン)シリーズが始まった2016年から広告が大幅に増えているということです。PRODUCE 101 JAPAN(プロデュース ワンオーワン ジャパン)に出演した練習生の広告も掲示されていたといいます。


さて、2019年にソウルの地下鉄でもっとも多くの広告が掲示された男性グループはBTS(防弾少年団)で、227件でした。次いで、EXO(165件)、Wanna One(ワナワン)(159件)などの順でした。女性グループはIZ*ONE(アイズワン)が最多で40件、次いでTWICE、BLACKPINKがそれぞれ22件でした。グループのメンバー別ではBTSのジョングク(46件)、EXOのペクヒョン(35件)、BTSのV(ブイ)(31件)などの順でした。数字からもわかるように女性グループより男性グループの広告のほうが圧倒的に多くなっています。


ちなみにWanna Oneの次に多かったのがNCT(127件)、ニューイースト(44件)、SEVENTEEN(41件)などとなっています。一方で年季の入ったグループも負けていません。SUPER JUNIOR(40件)、H.O.T.(22件)、SHINHWA(シンファ)(7件)、Tiara(ティアラ)(6件)、SECHSKIES(ジェクスキス)(4件)、Baby V.O.X(ベイビーボックス)(1件)などで、例えばデビュー23周年(H.O.T.)やメンバーの誕生日を祝う広告を出すことで、いつもいつまでも応援しているという気持ちを表しています。


広告の対象も多様になっています。韓国のオーディション番組『PRODUCE 48』の日本人参加者(荒巻美咲さんなど)を応援する広告や、プロゲーマー、ミュージカル俳優、演劇俳優、声楽家などのほか、アニメ(矢澤にこ。『ラブライブ!』に登場するキャラクター)や小説のキャラクターなども登場しました。EBSのキャラクター、ペンスのデビュー300日記念広告もありました。また、有名人ではなく一般人が自らの誕生日を祝ったり、高校の後輩が先輩の誕生日を祝ったりする広告も見受けられました。ちなみに2017年にはコメディアンのユ・セユンが自身の誕生日を祝う広告を出しており、イエスキリストの誕生日を祝う広告も掲示されています。


ソウルの地下鉄でも広告が特に多い駅は2号線の三成(サムソン)、江南(カンナム)、弘益大入口(ホンデイプク)、合井(ハプチョン)などで、主に若者たちが多く行き来する駅です。外国人の多い3号線の狎鴎亭(アプクジョン)や4号線の明洞(ミョンドン)なども広告掲示場所として人気のある駅です。特に合井駅は周辺にYGエンターテインメントをはじめ、芸能プロダクションが数か所あるため、「芸能人広告の聖地」と呼ばれているのだそうです。


アイドルや有名人などの地下鉄広告は、ファンとスターの間の新しいコミュニケーションツールとなっています。ファンたちがその広告の前で記念写真を撮ったり、応援メッセージを書いた付箋を貼ったりするのが「聖地巡礼」の一つのコースとなっていますし、スター自身がファンが出してくれた広告の前で記念写真を撮ってSNSに載せたりもします。


地下鉄の広告の金額は、広告が掲示される場所や大きさ、種類などによって異なりますが、一番多い照明広告で2号線の三成駅を基準にすると、ひと月で、多くて450万ウォンほどだということです。

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