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ライフスタイル

第553話 新型コロナウイルス―韓国映画業界の動静

#アジュンマの井戸端会議 l 2020-04-28

玄海灘に立つ虹


新型コロナウイルスの影響で、すっかり客足が遠のいた映画館。一部の地域では映画館自体が閉鎖され、営業休止となっています。

営業している映画館では、様々なイベントが行われています。たとえば、映画の再公開です。新作の公開が相次いで延期となっているため、その分を、以前公開された映画を再公開することである程度埋め合わせをしているのです。ちなみに4月18日と19日の週末には、『ラ・ラ・ランド』(2016)が全国で1万2233人を動員して観客動員首位を占めていました。次いで今年2月に公開された『1917 命をかけた伝令』が1万1910人で2位、3位は韓国映画の『サーチアウト』で、1万333人。今月15日に公開された、日常生活に深く浸透したSNSの犯罪を素材にしたスリラーです。大手チェーンのMEGABOXでは、『君の名は。』や『天気の子』など日本映画が4月15日から再公開されています。


映画館の貸し切りができるイベントも目につきます。映画館の貸し切りはもともと可能でしたが、かなりの費用がかかりました。それが映画館や人数によって3万ウォン~30万ウォンで可能になっています。また韓国の映画館ではポップコーンや飲み物などを売っている売店がつきものですが、売店も非対面型で、セルフ注文端末で注文、注文したメニューも、注文時に案内された番号が表示されたところでスタッフと顔を合わせることなく受け取る、というシステムのところもあります。


映画館がこうしたサービスやイベントを行っているのは、言うまでもなく、危機を打開するためです。映画振興委員会によると、3月の観客数は183万人、去年の同じ月に比べて87.5%減少しています。それに流通形態の変化にも直面しています。ここにきて、劇場初公開ではなく、Netflixを通じて映画が先に公開される例も出てきました。韓国映画『狩りの時間』は、公開が一度延期された末に、結局はNetflixで4月9日に初公開されました。地獄のような人生から抜け出すため大金を狙う無法者たち、しかし正体不明の追跡者が狩りを開始する、というサスペンスものです。


そうした中、営業休止となっていた映画館が、5月から営業を再開します。大手チェーンのCGVは、「新型コロナウイルスで困難に直面している映画産業と地域の商店街を活性化させるため営業を再開する」として、先月28日から休止していた全国36の映画館の再開を決定しました。CGVは、明洞(ミョンドン)や大邱(テグ)・慶尚(キョンサン)北道地域など全国の約30%に当たる支店の営業を休止していました。MEGABOXも4月の1ヶ月間営業を休止していた11の支店の営業を来月1日に再開するとしています。


新作の公開や撮影再開の動きも出ています。3月に公開予定だった韓国映画『侵入者』(25年前に行方不明になった妹が戻ってきてから家族はおかしな事件にまきこまれ、ヒーロー自身もショッキングな事実に直面することになるというミステリースリラー。ソン・ジヒョ、キム・ムヨル主演)が5月21日に公開を決め、『コール』(過去と現在に生きる二人の女性が一通の電話でつながることで展開される物語。パク・シネ、ジョン・ジョンソ主演)、『潔白』(殺人事件が素材。シン・ヘソン、ぺ・ジョンオク主演)などの韓国映画も公開に向け準備を始めています。4月29日には『パラサイト 半地下の家族』のモノクロ版が公開されます。また映画『交渉』は先週末にクランクインしました。中東で拉致された韓国人の救出に尽力する外交官と国家情報院の要員の物語(ヒョンビン、ファン・ジョンミン主演)で、3月にヨルダンでの撮影を予定していました。ヨルダンではまだ撮影できない状況ですが、これ以上撮影を延期するわけにはいかないということで、韓国国内での撮影から再開しています。映画『ボゴタ』も今年初めから行われていたコロンビアでのロケが中止となっていましたが、5月中に国内での撮影を始めるとしています(1990年代にコロンビアに移民した青年たちの物語。ソン・ジュンギ、イ・ヒジュン主演)。

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