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ライフスタイル

第728話 消えたハロウィーン

#アジュンマの井戸端会議 l 2023-10-17

玄海灘に立つ虹

ⓒ YONHAP News
韓国ソウルの繁華街、梨泰院(イテウォン)で起きた群集事故から、10月29日で1年になります。事故当時、梨泰院にはハロウィーンを前に大勢の人が集まっていました。事故が起きる前は毎年この時期になると、ハロウィーンをモチーフにしたイベントやマーケティングが盛んに展開されていましたが、今年は全く鳴りを潜めています。

ハロウィーンは関連業界の売り上げが20~30%増加するほどのかき入れ時で、秋夕(チュソク)とクリスマスの間をつなげる重要なイベントと考えられてきましたが、事故の傷痕はいまだ深く、ハロウィーンに対する世論も依然として冷ややかだからです。

幼稚園や英語塾などで行う子どもたちを対象にしたイベントや若者たちが集まる繁華街やテーマパークなどでのイベントを通じて韓国社会全般に急速に広がっていったハロウィーンですが、今年はハロウィーンに関するイベントはほとんど見られなくなっています。特に、英語幼稚園(英語で授業をしたり遊んだりする)をはじめ、普通の幼稚園や保育園、英語塾などでは、ハロウィーンはクリスマスに並ぶほどの大きなイベントで、子どもたちはコスプレや仮装をして、カボチャの形をしたかごを手に、英語で「Trick or Treat(お菓子をくれなければいたずらするぞ)」と叫びながら、練り歩いていたものです。それが今年は、一部の幼稚園でハロウィーンパーティーをすることにしたところ、一部の保護者から抗議、反発されたということです。保護者の中には、「ハロウィーンの飾りや衣装を見ただけで去年の事故を思い出す」という、事故に関する声も上がりましたが、「子どものコスチュームやお菓子などを用意するのがストレスだった」という声も聞かれたということです。

デパートや大型スーパーなども、色とりどりのハロウィーンの飾りをなくし、例年のような様々なコスチュームの販売なども行われていません。ロッテワールドやエバーランドなどのテーマパークでも、ハロウィーンを活用したマーケティングは行われていません。

事故が起きた梨泰院はもちろんのこと、弘大(ホンデ)前や江南(カンナム)駅など若者たちが多く集まる繁華街も、ハロウィーンに関しては非常に慎重な雰囲気です。韓国政府は、梨泰院での群衆事故のような事故が起きるのを防ぐため、そうした地域に非常管理室を設け、訪れる人たちの整理や救助など緊急事態に備えた対策を作っているところです。また、ソウル市では、単位面積当たりの人の数と密集度を自動的に計算し危険な事態が起きる徴候を知ることができるカメラを、ハロウィーンの期間中、ソウル市内の繁華街など71か所に合わせて909台設置する予定です。カメラが危険な状況をとらえた場合、カメラと連動するソフトウェアによってソウルの各区の災害安全管理室と、ソウル市、消防、警察の緊急対応室のスクリーンに、現場周辺の5つの画像が自動的に映し出されるというもので、災害安全システムが強化されています。

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