メニューへ 本文へ
Go Top

ライフスタイル

日本を目指す韓国人ドクター

#マル秘社会面 l 2017-04-26

玄海灘に立つ虹

日本を目指す韓国人ドクター
今日は日本で働こうとしている韓国人ドクターが増えているという話です。これまでも例えば、ソウルで開業しているお医者さんの中で日本語ができ、ソウル在住の日本人が良く利用しているなどというケースはありました。しかしこれはそれとは全然違う話です。韓国で国家試験に合格していながら、さらに勉強して日本の医師の国家試験を目指す若いドクターが増えているという話です。なぜでしょうか、まずは日本で働く韓国人医師の話です。
「医学部時代に実習を兼ねて日本の大学病院に1ヶ月ほど行きましたが、大きな衝撃を受けました。韓国の医師たちは勤務が大変でほとんど病院に寝泊りして暮らしているのに、日本はインターンでも午前8時30分に出勤し、午後6時30分には勤務を終えており、当直も1ヶ月に多くても4回ほどでした」
釜山大学の医学部を卒業したこの男性は公衆保険医として勤務しながら日本医師国家試験の準備に1年をかけ合格します。そして2015年に日本にわたり現在は京都大学病院の整形外科で後期研修医として働いています。
最近、韓国の医師の間で「脱韓国」の風が吹いています。この何年かで日本の医療界への進出のノウハウを共有するインターネットサイトもいくつかできています。 インターネット上に「日本医師/韓国医師」というカフェを運営中の34歳の内科専門医は
「日本進出を準備しながら去年の2月にこのカフェを作りましたが、1年で会員数が850人になりました。2,3年前までは日本医師国家試験に関する説明会の受講者は20-30人ほどでしたが、最近では100人以上が来ます」
と説明しています。ではなぜ韓国国内ではなく、日本を目指すのでしょう。お金のためではないと言います。専攻別に差はあるものの、月給をもらう医師の平均を比べればむしろ韓国の方が金額は高いといいます。韓国保健福祉部と日本の厚生労働省の資料によれば、2014年基準で韓国の医師の平均年棒は1億6500万ウォン(およそ1500万円)、日本は1154万円で、むしろ韓国の方が月給は高いと言えます。ではなぜか、日本国家医師試験に合格し、来月東京に行くという31歳の医師は
「 レジデントと呼ばれる修練医の場合、韓国では言われたことは何でもしなければならない奴隷のような存在ですが、日本では教えてもらえる教育生として扱われると聞きました。つまり仕事をさせる存在ではなく、教育する存在だということです」
実際に日本の修練医の1週間あたりの労働時間が50-60時間なのに対して、韓国では80時間は普通で100時間を越える病院もあるといいます。またこのような日本進出を図ろうとしている医師は20,30代の若い修練医だけではありません。40代のバリバリ現役の医師の中にもこんな意見があります。
「韓国では病院長と話をしていると診療の話よりも売上の話が主になっていきます。日本の医師と会って話をしてみると、月給取りというよりは医師として生きている生きがいのようなものを感じます。それで日本行きを考えるようになりました」
外国人が日本医師国家試験に合格するためには、試験を受ける前にまず2つの関門があります。書類審査と日本語診療調査能力試験です。特に日本語診療調査能力試験が難しく、これは日本語で診療と診断、そして日本語でカルテ作成が可能かを面接官に口述で評価されるというものです。そしてこれに合格してようやく医師国家試験が受けられるようになるということです。
そのため日本の医師免許を取得するには最低でも2年から4年はかかるということです。それにしてももともと頭のいいお医者さんなので、こういう試験準備はお得意なのでしょう。韓国ではエリートではあるものの、医師イコール激務というイメージがだんだん広がってきているようです。激務が嫌で日本に行くのなら、都会だけでなく日本の地方の病院にも進出して欲しいですよね。

おすすめのコンテンツ

Close

当サイトは、より良いサービスを提供するためにクッキー(cookie)やその他の技術を使用しています。当サイトの使用を継続した場合、利用者はこのポリシーに同意したものとみなします。 詳しく見る >