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ライフスタイル

韓国プロ野球の新しい風俗図

2017-09-27

玄海灘に立つ虹

韓国プロ野球の新しい風俗図
最近、韓国のプロ野球で珍しい光景を目にするようになりました。何かと言うと、投手たちが打者にデッドボールをすると、相手に頭を下げて謝るジェスチャーをするようになったことです。

年の若い選手の中には帽子まで脱いで、まるで年長者にするような丁寧なお辞儀をする人までいます。大事な場面でデッドボールにされたと両方のベンチから選手が飛び出して大乱闘になるような、あんな熱々の野球はなくなり、すっかり紳士の野球に韓国プロ野球が変わってしまったのでしょうか。

これまで韓国のプロ野球では投手がデッドボールをした際に、相手の打者に謝罪するのは一種のタブーとされていました。なぜかというと

「気と気のぶつかり合いでは押されれば負ける」

とされ、中には誤った投手に対して罰金を命じる球団もあったそうです。それが2,3年前から謝罪する投手が増え、今では一つの文化として定着しています。10球団の選手団の代表たちが、会議で

「打者にボールを当てた投手は申し訳ないという意思表示をすべきではないか」

というコンセンサスを得て以降、少しずつ変化し始めたといいます。しかしこの変化に対して球界では反対意見、賛成意見がでています。まず賛成派の意見として MBC放送スポーツ・プラスのソン・ヒョク解説委員は

「選手たちは橋を一つ越えさえすれば、互いに全て分かり合える。あえて腹を立てる必要はない。申し訳なかったと頭を下げるのは肯定的な変化」

と言っています。では反対派の意見はというと

行き過ぎた投手の謝罪が試合の緊迫感を低下させる。熾烈(しれつ)な戦いの中で起こった「あり得ること」に対して申し訳ないと頭を下げ、大丈夫だと言って笑みを浮かべる行為を見ると「なんだか気が抜けてしまう」

同じ MBC放送スポーツ・プラスでも投手出身のチャ・ミョンソク解説委員は

「打者が投手の投げたボールに当たるのは、試合の一部にすぎない。投手の立場からすれば、一塁まで打者を送ってあげることなのに、頭まで下げなければならないのか」

と言っています。このような「謝る投手」の登場にはソーシャルメディアの影響があるという意見もあります。

最近、投手たちは打者にボールを当てながらも頭を下げる気配を見せない場合、直ちに相手チームのファンからは「ずうずうしいやつ」「恥知らずなやつ」とうわさされる。数十件、数百件のレスが付くのは一瞬だ。

では外国はどうかというとアメリカ、メジャーリーグは一切謝りません。それに対して日本は帽子を脱いで謝るといいます。SBSスポーツのイ・スンチョル解説委員は

「東洋的な情緒から考えて帽子のつばを触るくらいの謝罪ならともかく、打者に対して頭まで下げるのはちょっとやり過ぎではないか」

と言っています。何かと言えばカッとなりすぐ乱闘になるというのもこまりものですが、SNSで相手チームのファンから嫌味を言われるのが嫌で頭をさげるというのもなんだか情けない気がしますが。

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