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ピープル

フュージョンバンド、2番目の月

2016-07-19

今から11年前、2005年にデビューした男女6人組のフュージョンバンド「2番目の月」。「2番目の月」は、最近、パンソリ「春香伝(チュンヒャンジョン)」からもっとも面白い14の場面を選んでバンド風に脚色したアルバムを発表し、コンサート「国楽プロジェクト・パンソリ春香伝」を開きました。韓国の伝統芸能、パンソリと世界の音楽を融合させ、伝統音楽は退屈だという偏見を改めた「2番目の月」のパンソリは人気を博し、アンコール公演につながりました。

バンド「2番目の月」が結成されたのは本格的なデビューを果たした2005年からさらに数年前に遡ります。広告や映画音楽を制作していたキム・ヒョンボさんとパク・ジヌさんは仕事としてではなく、好きな音楽を作り、演奏してみたいと思い立ちました。最初からバンドの性格やメンバーを決めていたわけではありませんでした。音楽で意気投合した仲間が集まっていくうちに6人のメンバーになり、「2番目の月」が結成されたのです。6人のうち、音楽を専攻したのは二人だけで、残りの4人は音楽が好きで、独学で楽器をマスターしていました。「2番目の月」を結成した6人のメンバーは音楽の幅を広げるため、さまざまな国の伝統楽器を手に入れ、インターネットの動画などを通じて演奏法を習う一方、作曲活動にも取り掛かりました。



結成されたばかりの「2番目の月」は若者の街として知られる弘益(ホンイク)大学界わいのライブクラブで活動していましたが、名もないバンドの公演を観にくる観客は少なく、メンバーより観客の数が少ないこともたびたびでした。しかし、好きな音楽を続けていくために意気投合した6人のメンバーは最後まであきらめませんでした。

2004年、「2番目の月」に大きなチャンスが訪れます。2004年の夏に放送されたテレビドラマ「アイランド」のサウンドトラックに参加したのです。未知の世界を旅しているような「2番目の月」の音楽は多くの視聴者を魅了し、活動の機会も増えていきました。そして、2005年、「2番目の月」はファーストアルバム「セカンド・ムーン」を発表、韓国の音楽界へのデビューを果たします。ファーストアルバム「セカンド・ムーン」でアイリッシュ・ホイッスルやマンドリンなど、あまり知られていない楽器の演奏を披露した「2番目の月」の音楽は大きく注目され、翌年、韓国大衆音楽賞で「今年のアルバム賞」をはじめ、「今年の新人賞」、「最優秀ジャズ・クロスオーバーアルバム賞」などを受賞しました。その後、さまざまなドラマや映画で「2番目の月」の音楽が流れるようになります。

残念なことに活動が軌道に乗った頃、音楽的性向の違いから「2番目の月」は2つのチームに分かれてしまいました。しかし、去年、2015年、6人のメンバーは再び手を取りあい10年ぶりにセカンドアルバムを発表します。いろいろな理由で2つのチームに分かれて活動したり、ソロで活動したりしていましたが、結局、いっしょに一つの音楽を続けて行こうという結論に至ったのです。再結成された「2番目の月」は以前にも増してエネルギッシュで魅力的な音楽を披露しています。韓国の伝統芸能、パンソリを「2番目の月」ならではのスタイルにアレンジした音楽もその一つです。伝統的なパンソリの歌詞はそのままですが、目をつぶって聴いていると、不思議なことに異国の風景が浮かんでくるのです。

一般的にフュージョンバンドと呼ばれている「2番目の月」ですが、メンバーたちは自分たちはフュージョンバンドでも、国楽バンドでもなく、世界各国の伝統音楽を活用して新しい音楽を作り、毎日成長していくバンドだと語ります。特定のジャンルがないため、音楽の幅が広がり、メンバーたちすらも「2番目の月」がこれからどんな音楽を作り出していくのか分かりません。そして、この予測できない可能性こそ「2番目の月」のこれからの活動が期待される理由なのです。

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