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旅行

韓国で一番規模の大きい韓方薬材の市場、ソウル薬令市

2011-03-22

韓国で一番規模の大きい韓方薬材の市場、ソウル薬令市

韓方では人のカラダも自然の一部と見なしています。春になると芽をふき、花を咲かせる植物と同じように寒さでうずくまっていたカラダの機能も活発になりはじめるというのです。そして、その機能をスムーズに目覚めさせるためには、畑に肥料をまくのと同じで、それなりの栄養分が必要です。韓方では春先の健康管理が一年の健康を左右するとされ、何となくカラダがだるくなりやすい今の季節、多くの人が韓方薬材の市場を訪れています。

ソウル地下鉄1号線、祭基(チェギ)駅の2番出口を出ると、韓国で一番規模の大きい韓方薬材の市場、ソウル薬令市(ヤンニョンシ)があり、韓方薬と薬草の独特なにおいが漂ってきます。ソウルの東大門区(トンデムング)祭基洞(チェギドン)と龍頭洞(ヨンドゥドン)にまたがっているソウル薬令市の広さは23万5千5百平方メートル。広い市場には1,040あまりの韓方医院、韓方薬局、韓方薬材を扱う店などが集まっています。

韓国で流通される韓方材料の7割がこの市場で取り引きされていて、一般的な薬草だけではなく、鹿の若角の鹿茸をはじめ、ムカデ、蛇など古くから薬用に用いられためずらしい薬材も扱っているため、韓方医院の関係者をはじめ、たくさんの人が利用しています。

ソウル薬令市の歴史は14世紀、朝鮮時代にまでさかのぼります。朝鮮時代、都の漢陽(ハニャン)、現在のソウルには飢えと病に苦しむ貧しい人たちに食べ物や衣服、そして薬などを分け与えていた国立の救恤施設が4カ所にありました。その一つ、興仁之門(フンインジムン)、つまり東大門の外にあった普済院(ポジェウォン)があった所にできたのがソウル薬令市でした。つまり、今、ソウル薬令市がある場所では600年あまり前から韓方薬を作り続けてきたのです。

ソウル薬令市に本格的に韓方薬材の店が集まりはじめたのは1960年代からです。ここは地方とソウルを結ぶ駅や市外バスターミナルなどから近く、産地から薬材を運んでくるのに便利な場所だったからです。ソウル薬令市は1995年、伝統韓方薬市場エリアに指定され、2005年には韓方産業特別エリアに指定されています。

ソウル薬令市では輸入した薬材や薬草の場合、4、5回にわたって成分の検査を行い、韓国産の薬材についても2、3段階の検査を経て、合格した薬材だけを扱う薬材履歴追跡管理システムを取り入れているため、安心して薬として使うことができます。

韓方の薬材について詳しく知りたいと思ったら、韓医薬博物館に行ってみましょう。博物館は市場の向かい、東医宝鑑(トンイポガム)タワーの地下2階にあります。2009年、ユネスコの記録遺産に指定された朝鮮時代の医学書、東医宝鑑をはじめ、韓医学の歴史、韓方で見る人体や薬草の話、生活の中の韓方、子供のための韓方など、興味深い情報が分かりやすく展示されています。この他にも体質を鑑別して、カラダに合う薬材などを教えてくれるコーナーもあって博物館というよりもイベント会場にきたように楽しく見て回ることができます。

韓医薬博物館とソウル薬令市を回っていると、ほのかな韓方薬のにおいに包まれ、歩いているだけでも元気になれたような気分になれます。ソウル薬令市では自分の体質にあった韓方薬を見つける健康な旅を楽しむことができます。

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