国防部は、韓国軍の将兵の精神教育に使うための教材に、「独島(トクト)について領有権争いが進行中だ」という記述があることを問題視して、兵士への配布を中止する方針を発表しました。
国防部は、5年ぶりに改定した「韓国軍の将兵の精神戦力教育のための基本教材」と題した教科書を、今月末に配布する予定でした。
この教材には、「韓半島周辺では、中国、ロシア、日本など多くの強国が激しく対立している。これらの国は、自国の利益のために軍事力を海外に展開したり、 尖閣諸島、クリル列島(千島列島)、独島など、領土をめぐる紛争も進行中で、いつでも軍事的な衝突が起こる可能性がある」と記されています。
また、教材に掲載されている地図の多くに独島が表示されていないことがわかりました。
これについて国防部は、「独島を『領土紛争中』と記述したことや独島が地図に表示されていないことなど、重大な問題がわかり、すべてを回収し、監査を行うなど、速やかに対応する方針だ」と発表しました。
また、「早い時期に客観的な事実にもとづいて教材を補完し、将兵たちが正しい精神武装ができるよう最善を尽くす」と話しました。
大統領室の報道官によりますと、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領はこの問題について報告を受け、「決してあってはならないことだ」として、ただちに是正するよう指示したということです。