国家生命倫理審議委員会は23日、ソウル市内で行われた会議で、体細胞から培養するES細胞の研究を制限的に認めることを、表決の末、賛成多数で議決しました。
国家生命倫理審議委員会は、これまでES細胞の研究を制限的に認めるか、一定期間禁止するかをめぐって、生命倫理界と科学界の委員の間で激しい議論が交わされ、歩み寄れなかったため、今回表決で決めることになりました。
しかし、かねてからこの研究に反対してきた生命倫理界の民間委員7人全員が表決に参加せず、反対の意思を明確にしました。
そのため、国家生命倫理審議委員会は、決定を書面にする作業をひとまず保留にし、あらためて、生命倫理界と科学界とが話し合える状況を作りたいとしています。
ES細胞の研究を制限的に認めるというのは、研究に使う卵子を、体外受精の際に、受精できずに廃棄される卵子か、手術などで摘出された卵巣から採取した卵子を使うというものです。
国家生命倫理審議委員会傘下のES細胞専門委員会と保健福祉部は、2005年、ソウル大学の黄禹錫(ファン・ウソク)元教授が、クローン胚からES細胞の培養に成功した成果を掲載した論文がねつ造されたものだったことが発覚して以来、ES細胞の研究について経済的な妥当性や、倫理問題などについて見直す作業を行ってきました。