保健福祉部は1日、元ソウル大学教授の黄禹錫(ファン・ウソク)博士による人間の体細胞を利用したクローン研究を承認しないことにしたと発表しました。
黄禹錫博士は、体細胞を利用したクローン研究の一人者でしたが、2005年に研究結果をねつ造して科学誌に掲載したことが表面化し、翌2006年には人間の体細胞を利用した研究の承認が取り消され、ソウル大学の教授職をはく奪された上に、研究結果のねつ造と卵子の不法取引、研究費の横領などで起訴され、裁判が進められています。
黄禹錫博士はその後も研究を進め、今年5月には犬の体細胞を利用した複製に成功し、アメリカのカリフォルニア大学獣医学遺伝子研究所が研究結果を審査し、クローン犬と確認しました。
黄禹錫博士は、人間の体細胞を利用した研究に意欲を示していましたが、保健福祉部は、黄禹錫博士が「生命倫理及び安全に関する法律」に違反した疑いで起訴され、裁判が進められているため、研究者としての資格に問題があるとして、研究計画を承認しなかったと説明しました。
一方、黄禹錫博士をこの分野の一人者だとして支持している人たちは、保健福祉部の今回の決定に強く反発しています。