韓国の海運会社所属のタンカーが韓国時間で4日午後、インド洋でソマリア海賊に拉致されたと外交通商部が発表しました。
外交通商部によりますと、韓国のサムホ海運所属のタンカー「サムホ・ドリーム号」(30万トン)は、4日午後4時過ぎ、イラクを出航してアメリカのルイジアナに向かう途中、インド洋でソマリア海賊に拉致されたということです。
このタンカーには韓国人5人、フィリピン人19人の合わせて24人が乗り組んでいるということで、「海賊が船に乗り込んできた」として国土海洋部に救助を求める交信を最後に連絡が途絶えたということです。
これを受けて、政府は事故海域からおよそ1500キロ離れたアデン湾海域にいた韓国の清海(チョンヘ)部隊と駆逐艦・李舜臣(イ・スンシン)艦を拉致された海域に急派しました。
また清海部隊の任務交代のため、今月2日、釜山港を出港した駆逐艦・姜邯贊(カン・ガムチャン)艦も近く現場に到着する予定で、共同作戦も可能とみられます。
政府は外交通商部在外同胞領事大使を本部長に対策本部を設け、関係部署の関係者が出席する対策会議を開いて、今後の対応などを協議しました。
政府は抑留された韓国人5人の身元は安全のために公開しないことを決めるとともに、タンカーの状況と乗組員の安全確認を急いでいます。
国土海洋部は、最近、ソマリア海賊が遠洋海域を通る船舶を乗っ取る事件が相次いでいるとして、インド洋を運航中の韓国の船舶に注意を呼びかけました。
ソマリアでは2006年に韓国の貨物船が海賊にのっとられて、韓国人8人が117日間も抑留されたのをはじめ、翌年には遠洋漁船が拉致されて韓国人乗組員4人が174日も抑留されていました。