空港でセキュリティーのために全身をチェックする全身透視スキャナーが、仁川(インチョン)国際空港など韓国の4つの国際空港に設置されました。
国土海洋部は7月1日、航空テロの脅威に備え、4つの国際空港に全身の透視検査が可能なスキャナーを設置したと明らかにしました。
スキャナーが設置された空港は、仁川空港と金浦(キムポ)空港、金海(キムヘ)空港、済州(チェジュ)空港の4つの国際空港です。
スキャナーには検査イメージを保管したり、出力・伝送・保存する機能はなく、顔など体の主要部分はぼやけたイメージで処理されるなど、プライバシーを最大限保護できるようになっています。
また、イメージ分析室を隔離することでイメージ分析要員が乗客の姿を見ることができないようにし、検査統制要員も検査イメージを見ることができないようになっています。
国土海洋部の関係者は、「第1次保安検査で疑わしいと判断された乗客や事前情報による要注意乗客に限ってスキャナーによる検査が行われるため、一般の人がスキャナーによって検査を受けることはほとんどないだろう」と話しています。
一方、国家人権委員会は6月30日、全身透視スキャナーが人権を侵害する可能性が大きいとして、空港への設置を禁止するよう国土海洋部長官に勧告しました。
人権委員会は勧告の理由について、全身スキャナーを導入する法的根拠やテロを予防する効果が大きいという根拠も弱い上、プライバシーを侵害する恐れがあると指摘しました。