口蹄疫が全国に広がっているなか、全羅北道(チョンラブクド)と忠清南道(チュンチョンナムド)で、野生の鳥ではなく、農家の鴨と鶏に鳥インフルエンザの感染症状が見つかり、防疫当局が対応を急いでいます。
農林水産食品部は29日、忠清南道天安(チョンアン)市の鴨の飼育農家と全羅北道益山(イクサン)市の養鶏場から、鳥インフルエンザ感染症状が見られるという届出があり、精密検査を行っていると明らかにしました。
届出があった天安市の農家の鴨は、産卵率の低下など、鳥インフルエンザへの感染が疑われる症状をみせており、防疫当局は農家に対して移動を統制する一方、拡散防止に向けて鴨を処分することにしました。
現在、精密検査を行っており、高病原性かどうかについては31日にわかるということです。
また、感染が疑われる益山市の養鶏場の鶏については、症状がみられる15羽に対して簡易の抗原検査を行った結果、6羽が陽性だったということです。
全羅北道は高病原性であるかどうかを確認するため、国立獣医科学研究院に精密検査を依頼する一方、届出があった養鶏場とその周辺の養鶏場の鶏10万7000羽あまりを処分し、農家の移動を統制することにしました。
韓国では2008年4月から5月にかけて鳥インフルエンザが流行しましたが、同じ年の8月に鳥インフルエンザの清浄国としての地位を回復し、現在まで維持しています。
野生の鳥から鳥インフルエンザのウイルスが検出された場合は清浄国としての地位を維持することができますが、農家の鴨や鶏から検出された場合は、清浄国としての地位を失うことになります。
韓国では、最近、全羅北道にある万頃(マンギョン)江と忠清南道にある浅水(チョンス)湾、全羅南北道(チョンラナムド)の海南(ヘナム)地域の渡り鳥から鳥インフルエンザウイルスが検出されたことはありますが、農家の家禽類から鳥インフルエンザの症状がみつかったのは今年初めてです。