韓国人船長ら4人が乗り組んでいるシンガポール国籍のケミカルタンカーが、4月30日、アフリカ東海岸ケニヤ沖のインド洋で、海賊に乗っ取られ、現在ソマリア海賊の根拠地に移動中であることが分かりました。
シンガポール港湾庁が1日、明らかにしたところによりますと、韓国時間で30日午後1時半頃、ケニヤ南東320キロの海域で、シンガポール国籍のケミカルタンカー「MT GEMINI号」(2万トン級)が海賊とみられるグループに乗っ取られました。
このタンカーには、船長を含む韓国人が4人、インドネシア人が13人、中国人が5人、ミャンマー人が3人の、合わせて25人が乗り組んでいました。タンカーは、先月16日、インドネシアのスマトラ港からココナッツオイル2万8000トンを積んで、ケニアのモンバサ港に向かっていました。
韓国の外交通商部は、シンガポールやケニヤの韓国大使館を中心に非常対策班を設けて対策に乗り出していますが、タンカーがシンガポール国籍であるため、ソマリヤ沖にいる韓国海軍の駆逐艦を派遣して救出作戦を行うのは困難だとしています。