韓国駐留アメリカ軍基地周辺に大量の枯葉剤が埋められた疑いについて、アメリカ軍は部隊内に埋められた化学物質について以前から知っており、土壌の汚染度を調査するなどチェックしてきたものの、その事実を韓国政府に伝えていなかったことが分かりました。
この問題は1978年に慶尚北道(キョンサンブクド)漆谷(チルゴク)郡にあるアメリカ軍基地、キャンプ・キャロルで大量の枯葉剤が埋められたとアメリカの退役軍人が証言したことから明らかになったものです。
これについてアメリカ軍は、23日、キャンプ・キャロルに化学物質を埋めたという記録が1992年のアメリカ陸軍工兵団の研究報告書に記されていることを認めました。
それによりますと、化学物質は1978年に埋められ、翌79年から2年間、この化学物質と周辺の土およそ40-60トンが、別の地域に運ばれたということです。
また2004年にはレーダーを使って土壌の汚染度を調査し、この際、発がん物質のダイオキシンが少量検出されたとしています。
これについてアメリカ軍のジョンソン司令官は「埋められた化学物質が枯葉剤だという証拠はない。われわれは再調査を行う予定だ」と述べました。
韓国とアメリカは1967年、韓国駐留アメリカ軍についての協定を結んでおり、この中には両国が健康と環境に関連した情報を交換すると明示されています。
しかしアメリカ軍は、韓国のアメリカ軍基地内に化学物質を埋めた上に埋めた汚染物質と汚染された土壌が別の場所に運ばれることを容認しており、さらにそのような事実を韓国政府に通報していなかったことから、今後、波紋を呼ぶものとみられます。
一方、京畿道(キョンギド)富川(プチョン)市にあるアメリカ軍基地でも1963年から1964年にかけて各種の化学物質が埋められたという主張が出ています。