世界最大の花と庭園の祭典であるイギリスの「チェルシー・フラワーショー」で、伝統的な化粧室をテーマにした韓国人の作品が最高賞を受賞しました。
「チェルシー・フラワーショー」は、1827年からイギリスのロンドンにあるテムズ川沿いで毎年春に開催される世界最大の花と庭園の祭典で、今年は23日から28日まで開かれています。
今回、アーティザン・ガーデン部門で最高賞を受賞したのは、韓国の環境美術家のファン・ジヘさんがデザインした「解憂所(ヘウソ)に行く道」という作品です。
「解憂所」というのは、「悩みを解決するところ」という意味で、韓国の伝統的な化粧室、つまり、トイレを指します。
作品は、家屋の外側に建てられていた「解憂所」に向かう道を表現しており、黒色の竹と石で作られた垣に囲まれた道の周辺に、韓国に生息する様々な薬用植物を植えて祖先の民間療法や知恵を表現したほか、植物の根元には清らかな水が流れ、その水で人々が手を洗うことで「自然の循環」と「命の再生」というメッセージを表しています。
また、「解憂所」の扉の高さを1.2メートルとやや低めにして出入りする際に頭を下げるようにし、自然と人間に対する尊敬の意味を込めました。
この作品をデザインしたファン・ジヘさんは、「素朴で気品のある韓国の伝統的な庭園を世界の人々に紹介することができて嬉しく思います」と話していました。
これまでドイツなどで開かれた学生参加の庭園博覧会で韓国人の学生が受賞したことはありましたが、専門家が出品する庭園博覧会で韓国人が受賞したのは、今回が初めてです。