韓国駐留アメリカ軍基地周辺に大量の枯葉剤が埋められた疑いが強まっている中、韓国政府は、京畿道(キョンギド)富川(プチョン)市にあったかつてのアメリカ軍基地の敷地でも各種の化学物質が埋められたという元アメリカ軍兵士の証言を受け、現場の立ち入り調査を行いました。
国防部の関係者が25日、明らかにしたところによりますと、国防部は、政府の関係者や専門家など8人で構成された調査団を、かつてアメリカ軍の基地があった場所で、現在は韓国軍の部隊敷地となっている京畿道(キョンギド)富川(プチョン)市に派遣し、1992年までこの基地に駐屯したアメリカ軍の状況について調査するとともに、化学物質が埋められているとみられる地域を直接訪問しました。
政府は、今後国防部の指針や「土壌環境保全法」に基いて、該当地域の土壌が汚染されているかどうかについて精密に調査する予定だということです。
一方、アメリカ軍が1991年作成した報告書によりますと、大量の枯葉剤が埋められた疑いのある慶尚北道(キョンサンブクド)漆谷(チルゴク)郡にあるアメリカ軍基地、キャンプ・キャロルでは、韓国駐留アメリカ軍基地のうち最も多い有害化学物質が発生したということです。
また、京畿道富平(プピョン)にあるアメリカ軍基地では、1989年、毒性のある化学物質の「ポリ塩化ビフェニル」の発生量や処理などに関する記録が作成されておらず、アメリカの会計監査院(GAO)から指摘を受けていたということです。
さらに、今年1月に発表されたアメリカ政府の官報によりますと、アメリカ政府は、韓国のDMZ=非武装地帯で枯葉剤の撒布を担当したアメリカ軍将兵らに対する被害補償の期間を、これまで公式に確認されていた期間よりも2年長い1971年8月までとしており、枯葉剤が追加撒布されていた疑いがあるということです。