韓国中部を襲った記録的な豪雨による死者と行方不明者は、合わせて71人にのぼっています。
政府の中央災害安全対策本部が30日、まとめたところによりますと、26日午後からの500ミリを超える雨で、死者行方不明者の数は、合わせて71人になりました。地域別には、ソウル市が18人、京畿道と江原道が13人ずつなどとなっています。
このうちソウル市瑞草区の牛眠山(ウミョンサン)地区では、27日午前9時ごろ、住宅街の裏山が崩れ大量の土砂が一戸建ての高級住宅街に流れ込みました。この土砂で自宅の地下室で排水作業をしようとしていたデパート「新世界」の会長夫人、ヤン・ミョンスクさん(63)が生き埋めになり、警察などが駆けつけて救助作業をしましたが、1時間半後に遺体で見つかりました。
警察と消防によりますと、ヤン・ミョンスクさんは、この日、裏山の小さな渓流が増水したのにともなって住宅の前にある貯水施設の水があふれて自宅の地下室に流れ込んだため、ボイラーがある地下室への浸水を防ごうと息子の嫁ら3人で地下室に入り、嫁ら2人が水を汲む道具を取りに離れた直後に土砂が地下室になだれ込み、一人でいたヤン・ミョンスクさんが巻き込まれたということです。
牛眠山のふもとには120軒の高級住宅がありますが、このうち60軒が土砂崩れの被害を受け、合わせて18人が亡くなる惨事となりました。