ソウル都心では20日午後から21日にかけて釜山造船所をもつ企業の人員整理問題をめぐって大規模な抗議集会が相次いで開かれます。
韓国の2大労働組合組織のひとつ、民主労総=全国民主労働組合総連盟をはじめとする市民団体や個人が結成した「8・20希望時局大会準備委員会」は、政府に韓進重工業の人員整理問題の解決を求めて20日と21日にソウルで大規模な抗議集会を開く予定です。
この問題は、釜山(プサン)市影島(ヨンド)区に造船所を持つ業界4位の韓進重工業が、3年前にフィリピンにスビック造船所を建設した直後から、国内での受注実績が全くないことを理由に労働者を大量に解雇し、その直後に、株主に対して巨額の配当金を支払ったことが明らかになり、労働者や市民団体が不当な整理解雇の撤回を要求しているものです。
この問題をめぐっては18日、国会環境労働委員会が、韓進重工業の会長らを呼んで聴聞会を開き経営者側の責任を追及しましたが、経営者側が一歩も挽かず改善する姿勢をみせていないことから、市民団体は、政府と与党に対して問題解決に乗り出すよう強く求めています。
そして「8・20希望時局大会準備委員会」は、20日午後5時から翌21日朝までソウル市庁前広場付近で、整理解雇撤回と、現政権に対して財閥寄りの政策を中止するよう求める全国労働者大会を開くことにしています。
これに対して警察は、20日午後5時にソウル広場で別の行事が予定されているうえ、夜の道路行進は法律で禁止されているとして、この日の集会を不法行為とみなし厳重に取り締まる姿勢を打ち出しており、衝突が避けられない見込みです。