北韓の指令を受けて韓国でスパイ活動をしたとして5人が起訴されました。
ソウル中央地方検察庁と国家情報院は25日、北韓労働党と連携した反国家団体「ワンジェサン」を組織し、スパイ活動を行ったとして5人を国家保安法違反で起訴し、さらに他の5人を取り調べていると発表しました。
検察によりますと、反国家団体の中心的役割を果たした男性(48)は、1990年代初めに北韓労働党との関係が始まり、1993年には故金日成主席に直接会って、情報収集などの工作命令を受けたということです。
この男性はその後、中学校のときの後輩や大学のときの友だちを誘って反国家団体を組織し、政界や軍事分野の様々な情報を収集して、北韓に提供したということです。
5人のうちソウル地域の総責任者だった男性(48)は、2006年には国会議長の政務秘書官を務めたこともあり、検察はこの男性が政界上層部の動きを把握し、北韓に情報を提供したとしています。
一方、起訴された5人は、「検察が証拠もないまま無理に起訴に持ち込んだ。そこには政治的な意図が多分にある」として、嫌疑を否定しているということです。