北韓との国境をまたいた中国側の都市、遼寧省丹東市で宣教活動をしていた40代の韓国人宣教師の男性が突然死亡する事件がありました。
瀋陽の韓国総領事館が9日、伝えたところによりますと、この韓国人宣教師は、先月21日午後7時頃、丹東市のデパートの前でタクシーを捕まえようとしていて突然倒れ、病院に運ばれたものの、まもなく死亡したということです。
この男性は倒れる際に口から泡を出していたことから病院は毒物中毒の可能性があるとみて遺体を解剖しましたが、毒物は検出されませんでした。
現地の韓国人らの証言によりますと、この宣教師は丹東市で脱出してきた北韓住民への宣教活動を行っていたということで、倒れる際に毒物中毒の症状を見せたため何者かに殺害されたのではないかという疑惑が出ていました。病院側もさらに詳しい検査が必要だとしましたが、遺族の強い反対で実現せず、現地で火葬されたということです。
こうしたことから瀋陽の韓国総領事館は、中国当局に対して北韓との国境地帯にいる韓国人の身の安全に十分な対策を講じるよう要請しました。