今年の春、主に出産前後の女性の間で多発した原因不明のウィルスによる急性の重症肺疾患について、保健当局は加湿器に入れていた殺菌剤によって肺が影響を受けた可能性が高いと指摘しましたが、被害者は政府の集計をはるかに上回るのではないかとみられます。
市民団体の環境保健市民センターが13日、発表したところによりますと、この原因不明のウィルスによる急性重症肺疾患で死亡した子どもは、保健当局の発表以来、遺族からの届出が相次いで、すでに数百人にのぼっており、ほとんどが加湿器に殺菌剤を入れていたということです。
環境保健市民センターは、保健当局の発表はソウルの大型病院1か所での20歳以上の成人を対象にしたものだが、20歳以下の青少年、なかでも乳幼児は化学物質に弱いため影響が大きいと指摘しています。また小さな赤ちゃんの場合、自分から呼吸困難を訴えることができないうえ、熱をともなわない場合も多く、被害を見逃すケースも多いとして、政府に対して乳幼児の被害状況を含めて、改めて調査するよう求めるとともに、メーカーに加湿器殺菌剤のリコールを実施させるべきだと主張しています。
保健福祉部の疾病管理本部は、先月31日、2004年から2011年までの急性重症肺疾患患者18人を対象に行った疫学調査の結果を発表し、加湿器に殺菌剤を入れていた場合、肺の損傷度が47.3倍も高かったとし、国民に対して加湿器殺菌剤の
使用を自粛するよう呼びかけました。