韓国では15日、全国各地で停電が相次いで発生しました。
残暑によって電力需要が供給能力の限界に迫り、韓国電力が予告なしに電力の供給を止めたためです。
ソウルでは15日午後3時半ごろから各地で停電が発生しはじめ、所によっては交差点の信号が消えたり、ビルのエレベーターに人が閉じ込められたりして、停電は夜8時ごろまで断続的に続きました。
銀行のATMサービスも動かなくなり、一部の工場では操業を部分的に中断する事態も発生しました。
釜山大学など34の大学では新入生随時募集の締め切り日でしたが、停電でオンラインでの願書受付ができなくなったため、締め切り日を1日伸ばしました。
韓国電力によりますと、15日は午後3時の時点で全国の電力需要が予想を300万キロワット上回る6700万キロワットとなって、安定供給に必要な予備電力が400万キロワットを下回るようになったことから、地域別の循環停電に踏み切ったということです。
この停電で全国で162万戸に影響が出ました。
韓国電力は夏の電力需要のピークが過ぎたことから、23の発電所で運転を中止し、定期点検に入っていましたが、この23の発電所の発電量は834万キロワットと全体発電量の11%を占めていました。
こうした状態で15日は残暑がきびしく34度にも達した所があったため、電力需要が韓国電力の予想を大きく上回り、停電が発生したものです。
今回の停電は韓国電力の電力需要予想の判断ミスによって発生し、しかも予告なしに電力供給が中断されたことから、韓国電力や政府への批判が高まっています。