社会
実話映画「るつぼ」が波紋 警察が性的暴行で再捜査へ
Write: 2011-09-29 15:21:09 / Update: 2011-09-29 16:37:57
先ごろ公開された映画「るつぼ」のモチーフになった、韓国のある聴覚障害者学校で6年前に実際に起きた性暴力事件について、警察がさらなる捜査に乗り出しました。
この事件は、光州(クァンジュ)の聴覚障害者学校で2000年から5年間にわたり、教職員が聴覚障害者の児童を対象に性的な虐待を持続的に行っていたもので、当時、加害者のうち4人は裁判で実刑を言い渡されましたが、すぐ復職し、中には現在も職にある者もいて問題となっているものです。
この事件をモチーフにした映画、「るつぼ」は公開から5日間で100万人の観客を動員し、ボックスオフィス1位となっており、インターネット上では事件の再捜査を求める署名に4万人以上が応じるなど、軽い処分を言い渡した裁判所への非難の声が高まっています。
これを受けて、日本の最高裁判所長官に当たる大法院長は「国民が憤りを感じている。なんらかの経路で釈明する必要があると思う」と話しており、管轄の光州市教育庁は、対策チームを設けるなど対策に追われています。
こうしたことから、警察庁は28日、警察庁本庁と光州地方警察庁が共同で特別捜査チームを設置し、事件に対する捜査に着手しました。
特別捜査チームは、加害教師によるさらなる被害はなかったか、加害者が学校に復帰した後、再び同じような犯罪を犯していないか、行政当局の管理・監督は適切だったか、学校内の構造的問題や不正はないかについて集中的に調べるとしています。
さらに、管轄の光州教育庁は、この学校を自主的に閉鎖するよう促すことを検討しており、政界では、子どもや青少年を対象にした性犯罪の時効をなくし、聴覚障害者学校のような社会福祉法人で虐待や人権侵害などの違法行為があった場合、事業停止、閉鎖などの措置を取れるように「社会福祉事業法」を改正することが検討されています。
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