王室の祭礼や行事を絵や文章で記録した朝鮮王朝時代の公文書 「朝鮮王朝儀軌」の一部が19日、ソウルを訪れた日本の野田首相によって韓国に返還されたことについて、海外に流出した韓国の文化財を返還させる運動を展開している市民団体の「朝鮮王朝儀軌還収委員会」が歓迎すると述べました。
朝鮮王朝儀軌還収委員会は19日、記者会見を開き、今回の返還は2006年から40回あまりにわたって韓国と日本を行き来しながら朝鮮王朝儀軌の返還を求め続けてきた韓国国民の勝利だと強調しました。
しかし還収委員会事務局長の慧門(ヘムン)住職は、「韓国政府は、日本の宮内庁に保管されている「朝鮮王朝儀軌」が全部で何冊なのか、今年5月まで正確に把握できなかったうえ、伊藤博文初代韓国統監が王室文書保管所の奎章閣から持ち出した図書の返還を要求しないなど、少なからず問題を露呈している」と指摘しました。
朝鮮王朝儀軌還収委員会は、日本の宮内庁に保管されている朝鮮王室の図書1205冊が近く返還されるのを機会に、日本各地にある韓国の文化財を取り戻す市民運動を展開することにしています。