新しい原子力発電所の建設候補地として、いずれも東海岸の江原道(カンウォンド)三渉(サムチョク)市と慶尚北道(キョンサンブクド) 盈徳(ヨンドク)郡の2か所が決まりましたが、三渉市では原発建設をめぐって賛否両論が起きています。
崔文洵(チェ・ムンスン)江原道知事は23日、「原子力発電所の建設についての国民のコンセンサスと原発の安全性が保障されないまま、さらに原発を建設することは、道民の生命と安全を守らなければならない知事としては納得しがたい。三渉市が建設候補地に決まったことは非常に遺憾だ」と述べました。
また原発建設に反対する市民団体「三渉発電所誘致白紙化闘争委員会」は、「三渉市は原発建設の候補地をめぐって世論を聞くために住民投票を行うとしていたのに、約束を守らなかった」として、今後、候補地撤回に向けて三渉市長に対するリコール運動も辞さないと強く反発しています。
こうした中で三渉市は23日、候補地に決まったことを歓迎するとする声明を出しました。
また原発誘致を進めていた「三渉市原子力産業誘致協議会」も、原発建設で人口30万の三渉市は経済的に自立できる土台を作ることができるとして、歓迎するコメントを出しました。
三渉市は1999年に原発候補地に、2005年には放射性廃棄物の処理施設の候補地にそれぞれ決まりましたが、住民の反発でいずれも白紙に戻った経緯があります。