農薬や産業用の洗浄剤に添加剤として広く使われている界面活性剤が、強い毒性によって人の健康に致命的な影響を与えているとする研究結果が、忠清南道の順天郷(スンチョンヒャン)大学の研究チームによって明らかにされました。
界面活性剤は、気体と液体、液体と液体、液体と固体の境界面に作用して混ざりやすくする物質で、洗剤や石鹸、農薬、産業用洗浄剤などに広く使われています。
順天郷大学天安(チョナン)病院の農薬中毒研究所は、3年間にわたって、除草剤などに使われる界面活性剤の毒性を調べ、農薬中毒で病院に運び込まれて治療を受けた患者107人を分析した結果、農薬中毒やこれによる死亡が、農薬の成分ではなく添加剤として使われている界面活性剤の持つ毒性によるものであることがわかったと5日、発表しました。
そして合成界面活性剤の入った産業用洗剤や農薬は、肌に触れるだけで身体に吸収され健康被害につながるおそれがあるため、使用するときは必ずゴム手袋をはめ、なるべく水で薄めて使うよう呼びかけています。
ただし石鹸や洗剤など日常用品に使われている界面活性剤は、安全性の検証を受けたものなので、今回の研究結果とは関係がないとしています。
今回の研究結果は、アメリカ毒性学会が発行する国際学術誌に掲載されました。