冬の電力不足が懸念されているなか、12日、原発の故障で稼働が停止する事故が発生し、電力需給への不安が高まっています。
原子力発電所を運営している「韓国水力原子力」が12日に明らかにしたところによりますと、慶尚北道(キョンサンブクド)慶州(キョンジュ)市にある月城(ウォルソン)原発1号機で、12日未明、冷却装置の一部が高温になったことを知らせる信号が誤作動し、自動停止したということです。
月城原発1号機は67万9000キロワット級で、1983年から商業運転を始めました。
韓国水力原子力は、精密調査を行って誤作動の原因を調べ、問題に対処したうえで原子力安全委員会の承認を得て稼動を再開する予定です。
しかし、今回事故があった原発は重水炉で、一度稼動が止まれば毒性物質ができ、これを取り除くためには停止から40時間はかかるため、発電の再開は早くても13日夜遅くになる見通しです。
このため、知識経済部と電力当局は、電力需給の非常体制に入り、徹底した需要管理を行うことで、予備電力を500万ワット以上の水準に保つとしています。
現在、韓国では、月城1号機に加え、設備の異常が見つかって整備中の蔚珍(ウルジン)4号機、計画予防整備中の新古里(シンゴリ)1号機の3機が稼動停止状態になっています。