肺の損傷を起こす原因ではないかとみられている加湿器の殺菌剤の動物実験で、すでに人体へ危険性が確認されている2種類の成分以外には、新たな危険物質は確認されませんでした。
保健福祉部の疾病管理本部は、去年9月から3か月間、加湿器殺菌剤に含まれている主な成分3種類について動物実験を行いました。
その結果、すでに人体への危険性が確認された2種類の成分以外の残りの成分については危険性が確認されなかったと2日、明らかにしました。
疾病管理本部は、これに先立って去年11月に実験の中間結果を発表し、PHMG(ポリヘキサメチレンビグアニジン)とPGH(塩化エトキシエチルグアニジン)を主成分にした殺菌剤を吸い込んだねずみの肺の組織が線維化し、肺疾患で死亡した人と非常に似た現象が確認されたため、これらの成分が入っている殺菌剤6種類について回収命令を出しています。
しかし、実験の結果、残りの成分、CMIT/MIT(クロロメチルイソチアゾリノン/メチルイソチアゾリノン)の成分が入った殺菌剤では、異常な所見は確認されなかったため、この成分を主成分とする殺菌剤4種類については回収命令は出さないとしています。
しかし疾病管理本部は、動物実験で危険性が確認されなかったからといって安全とは限らないとして、これらの製品が食品医薬品安全庁の許可を得るまでは使用しないよう呼びかけました。
保健当局がこれまで確認した加湿器の殺菌剤が原因とみられる肺疾患患者は全国で34人で、これによって死亡した人は10人に上っています。
このほか保健当局は、ホームページと保健所の窓口で加湿器の殺菌剤による肺損傷が疑われる事例141件を受け付けて調査を進めています。