三星グループの創業者で、1987年に亡くなった李秉喆(イ・ビョンチョル)会長の財産相続をめぐって一族の訴訟が相次ぎ、関心を集めています。
故李秉喆会長の長男の李孟熙(イ・メンヒ)さん(81)は、今月10日に弟の三男、李健熙 (イ・ゴンヒ)三星電子会長(70)を相手取って相続分の請求訴訟を起こしたのに次いで、27日には次女のイ・スクヒさん(77)が弟の李健熙会長を相手取って同じ内容の訴訟を起こしました。
長男の李孟熙さんは三星生命の株式のうち7100億ウォンにあたる824万株を、イ・スクヒさんは李孟熙さんが要求した金額のおよそ4分の1にあたる三星生命の株式223万株を李健熙会長に要求しており、この2人が要求している株式を合わせると三星生命株式の5%を上回る1047万株となります。
韓国1位の財閥、三星グループは、李健熙会長とその長男の李在鎔(イ・ジェヨン)社長が大株主となっている三星エバーランドが三星生命を支配し、三星生命が三星電子などの主な系列会社を支配する「循環出資」の構造を取っています。
このため、訴訟の結果、事実上の持ち株会社となっている三星エバーランドや三星生命の持ち株に変動が起これば、李健熙会長が率いる三星グループ全体の支配構造が揺れる可能性があります。
これについて三星グループは、「これは個人間の訴訟であり、三星グループの支配構造が変わる可能性は低い」としていますが、今回の訴訟で李孟熙さんやイ・スクヒさんが勝つことになれば、三星グループの支配構造にも少なからず影響を及ぼすものとみられています。
また他の兄弟も相次いで訴訟を起こす可能性があるため、今後の展開に関心が集まっています。